韓国イチゴに農水相「日本品種が流出」で気づくべき日本農業の危機

ちょっと古い話題ですが、平昌オリンピックでは日本女子のカーリングチームが注目されました。その戦いとともに注目を集めたのがハーフタイムの栄養補給、通称「もぐもぐタイム」。セカンドの鈴木夕湖は「もぐもぐタイムで一番私が好きなのは、イチゴ。韓国のイチゴはびっくりするぐらいおいしくてお気に入りでした」と言ったそうです。ところが、その後、イチゴをめぐって以下のような農水省の発言があり、「嫌韓」ムードになりつつあります。

韓国イチゴに農水相「日本品種が流出」カーリングで注目
以下は、記事の抜粋です。


平昌五輪でカーリング女子日本代表の選手が食べて注目された韓国のイチゴについて、斎藤健農林水産相は2日の閣議後会見で、「日本から流出した品種をもとに韓国で交配されたものが主だ」と指摘。日本の優良品種が無断栽培されるのを防ぐために、海外での品種登録などを広げる必要性を訴えた。

斎藤農水相は、「選手には日本のおいしいイチゴをぜひ食べていただきたい」とアピール。日本の「とちおとめ」などの品種が流出した問題にも言及した。

農水省によると、韓国では2012年までイチゴが品種保護の対象外だった。その間に無断で持ち込まれたほか、契約で認めた生産者以外に栽培されたものもあり、日本の品種が広まった。今はその品種を交配したものが主流だ。

日本と韓国は、アジア各国へのイチゴ輸出でも競合。農水省は日本の輸出機会の損失は最大で年40億円以上と推計している。品種登録は国ごとに手続きが必要だが、栽培差し止めなどの対抗手段がとれるため、農水省は16年度から補助金を出して品種開発者を支援。斎藤農水相は「対策を講じていく必要性を改めて認識した」と話した。


また、別の記事によると、農水省は、日本が失った輸出機会は金額にして「5年間で最大220億円に上る」と言っているそうです。これらの記事を読むと、何となく韓国が不正にイチゴを生産しているように感じます。しかし、浅川芳裕さんのツイート記事をみると、「日本の農水省が『韓国のイチゴ」による被害額220億円の根拠にしているのは、日本品種ですらない。すべて『韓国品種』の輸出額。斎藤農相が『日本から流出した品種をもとに韓国で交配された』っていっているけど、新品種の交配に育種家の許可は要らない。『盗作』じゃない。輸出も合法。被害額ゼロ」であることが分かります。以下は、浅川氏の記事からの抜粋です。


皮肉にも、韓国イチゴの大躍進に貢献した品種は、違法流出した「章姫とレッドパール」の2つを掛け合わせたものだった。その名は「雪香」(ソルヒャン)。現在、韓国のイチゴ栽培面積の大半を占めるヒット商品となっている。

作戦どおり、「国内のイチゴ栽培面積の半分までを国産品種に取り替える計画」に成功したのだ。かつて9割以上が日本品種であった韓国イチゴは、現在、ソルヒャンをはじめ完コピした韓国品種に切り替わっている(権利上も、同品種が普及している最中、章姫、レッドパールの両品種とも登録が失効してしまった)。

日本品種を“駆逐“したソルヒャンとは、どんな品種なのか。現地で食したが、甘さと酸味のバランスがいい。大玉の粒ぞろいがいい。果汁たっぷりで正直おいしい。まさに、親の章姫とレッドパールのいいとこ取りしたイチゴ品種である。生産面でいえば、ソルヒャンは病気に強く、収量も多い。そのため、「日本品種より収益性が高い」と評判になり、イチゴ農家の間で一気に普及した。


さらに、韓国では政府の手厚い支援により、輸出品種と後継品種を育成し、戦略的に農業の国際競争力強化を図っているそうです。他国の優れた技術をタダで取り入れ、それを発展させて高収入を得ていた「高度成長期」の日本の姿とダブります。

神戸製鋼、川崎重工、下町ボブスレーなどなど、「ものづくり」がガタガタになってきた日本ですが、「カーリング娘のイチゴ」を「嫌韓」で終わらせていると、農業も危ないです。

小さな成功を「日本スゴイ!」と誇大に報道し、ボブスレーやイチゴではジャマイカや韓国が悪いと報道するメディアは、大丈夫でしょうか?

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