電子たばこは、「喫煙関連の病気を減らす」反面、「若者の喫煙開始を助長する」可能性

「電子たばこ」とは、ニコチンを含む液体を加熱して蒸気を吸引する電池式機器です。「加熱式たばこ」ともよばれます。1月23日、アメリカの科学・技術・医学の3学会からなる全米アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、電子たばこの健康への影響に関する査読論文800報以上の調査に基づいて報告書を発表しました。この報告書についての2つの報道のタイトルが対照的でおもしろかったので以下に紹介します。


“電子たばこが喫煙のきっかけに”米専門家 報告書 (NHK)

若者を中心に世界的に広がっている電子たばこについて、アメリカの専門家で作る委員会は紙巻きのたばこより有害な化学物質は少なく、健康への影響は少ないと考えられるものの、若者がたばこを吸い始めるきっかけになるとして注意が必要だとする報告書をまとめました。

電子たばこは、世界的に禁煙の取り組みが広がる中、たばこに代わるものとして、若者を中心に世界的に広がっています。こうした中、アメリカの科学や医学などの専門家で作る委員会は、800を超える科学研究を調査した報告書をまとめ、23日、公表しました。

それによりますと、電子たばこは、健康に影響を及ぼすニコチンなどの有害な化学物質は多くの場合、紙巻きのたばこより少ないと考えられるとしています。

そして、健康への影響については、紙巻きたばこより少ないものの依存性はあるとしたうえで、長期的な影響については、登場して10年余りしかたっていないため、まだわかっていないとしています。そのうえで、報告書では、若者の場合は電子たばこがたばこを吸い始めるきっかけになる十分な証拠があるとして注意が必要だと強調しています。


電子たばこ、若者に有害も喫煙成人には有益か 米報告書 (AFP)

電子たばこは、成人の禁煙の助けになる可能性がある反面、若者の喫煙開始を助長する恐れもあるとする米国の調査報告書が発表された。

報告書は、電子たばこについて、「従来のたばこに比べて含有する有害物質の数が少なく、濃度も低い」としているが、その一方でその常習性についても触れている。

電子たばこの使用経験が長い成人は「従来のたばこと同程度のニコチン」を摂取しており、これが電子たばこ使用者に「依存常態の症状」を引き起こす傾向がみられた。また電子たばこの使用率は成人より若者の方が高く、電子たばこが従来型たばこを始めるきっかけとなるリスクへの「実質的証拠」が今回の報告書では明らかにされている。

一方で、報告書を執筆したDavid Eaton委員長によると、成人の喫煙者が禁煙目的で電子たばこを使用する場合には「喫煙関連の病気を減らす機会が得られる」という。

報告書は、電子たばこの使用により「従来型たばこに含まれる多くの毒性物質と発がん物質にさらされるのを抑える」として、従来型たばこから電子たばこに切り替える結果、「複数の臓器系で短期の有害転帰が減少する」としている。

だが、電子たばこの長期的な影響については不明のままだ。そして、電子たばこが公衆衛生に与える影響についても、研究者らは明確にしていない。報告書は、「この疑問に対する明快な答えを導き出すには、電子たばこの短期的および長期的な健康への影響と、従来型の喫煙との関係に関するさらに多くの研究を重ねる必要がある」としている。


とりあえず、紙巻きたばこを吸っていてやめられないヒトが、自分の健康被害を減らすために電子たばこ(加熱式たばこ)に替えるのは正解のようです。

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