楽しく失敗を繰り返す凡庸な研究者に優しい環境を!

iPS細胞研究も特別ではない~科学を蝕む研究不正
今回のiPS細胞研究不正に関する多くの記事の中で、この記事が一番よく書かれていると思います。興味のある方は元記事をお読みください。以下は、私が注目した記事の一部です。


山中伸弥教授のiPS細胞研究所で起こった研究不正だけに、ニュースのトップ項目で報道されたが、この事例は決して特別ではない。あまりいい言い方ではないかもしれないが、社会的に注目されるiPS細胞研究だから大きく報道されただけのように感じる。

文部科学省の予算の配分又は措置により行われる研究活動において特定不正行為が認定された事案(一覧)には、様々な研究不正の事例が公開されているが、今回の事例以上のケースも多々ある。しかも実名が公開されていない。

白楽ロックビル氏のウェブサイトには、報道されない事例が多く収集されている。2017年の研究不正事例ランキングには、日本人研究者の事例も上位にランキングしているが、おそらく多くの方々がこのことを知らないだろう。


榎木氏が上に書いているように、大半の研究不正では実名が公開されていないのに、今回は「山水康平助教」という実名が公開されました。問題の論文から孫引きしたところ、彼には29本の英語の論文があり、この中13本は彼が筆頭著者です。また、上の記事によると、「『生体機能を有したヒトiPS細胞由来血液脳関門モデルの構築』にて、2016~2017年度に研究種目若手研究(B)を助成されており(390万円)、2017~2019年度には日本医療研究開発機構(AMED)から『血液脳関門デバイスに搭載するiPS細胞由来脳血管内皮細胞の安定的な誘導法の開発』にて3000万円を助成されている。」そうです。36歳の年齢を考えると研究者としての業績は非常に傑出していると思います。

この山水氏や小保方氏の事件をみると、有名雑誌に掲載されるような素晴らしい業績を複数上げなければ、凡庸な研究者として有期雇用の任期が終わり、研究者としての人生も終わってしまうことがわかります。

私が研究をしていた頃は、凡庸な研究者でも生命科学研究を一生の仕事にすることができました。特に根拠はありませんが、楽しく失敗を繰り返す凡庸な研究者に優しい環境でないと、大発見は生まれないと思っています。日本にそのような環境が復活することを祈ります。

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