中世の「黒死病(ペスト)」の大流行はネズミを介していないかもしれない

人類を危機に陥れた14世紀の「黒死病」大流行についてネズミに罪はなかった
以下は、記事の抜粋です。


高い致死性を持ち、14世紀の大流行では世界人口を4億5000万人から3億5000万人にまで減少させたと言われているペストは人の体にペスト菌が感染することによって発生します。

14世紀の大流行は第二次ペストパンデミックと呼ばれており、ネズミが流行の一端を担っているという考え方が一般的です。しかし、新たに発表された論文によると、第二次ペストパンデミックはネズミが広めたのではない可能性があるとのこと。

ペストは中世以後もしばしば発生しており、これらの流行では、ネズミがその一翼を担ったと見られています。ペストに感染したネズミの血を吸ったノミ・ダニにも菌が移り、宿主であるネズミが死ねばノミ・ダニは人間を吸血し始めるためです。

今日のペストの感染方法、そしてペストで死んだ中世の人々の遺伝子的な情報から、多くの研究者が第二次ペストパンデミックはネズミが引き起こしたものと考えていました。

しかし、第二次パンデミックは今日のペスト流行よりもはるかに速く進行したこと、そして近年のペスト流行の前にはネズミの大量死が報告されている一方で、第二次パンデミックの資料にはネズミが一斉に死んだという記述が見当たらないなどの問題が指摘されていました。

研究チームは人間・ネズミ・ノミ・シラミなどがどのように振る舞うかに基づき、アウトブレイクの増減をシミュレートする方程式を使って数学的モデルを作成しました。

「人間と人間との接触によってノミが移る」「ネズミを介して人間から人間にノミが移る」といったモデルを複数回にわたって走らせ、どのモデルがヨーロッパで発生した計9回のアウトブレイクの死亡パターンと合致するかを評価したところ、9つのうち7つのアウトブレイクは「人間同士の接触によってペストが広まっていったという」パターンが、最も実際のパターンに近かったとのこと。


元論文のタイトルは、”Human ectoparasites and the spread of plague in Europe during the Second Pandemic”でし(論文をみる)。

少しわかりにくい記事ですが、昨年のマダガスカルでのペストの流行などの最近の流行の場合は、ネズミとそのノミを介していると考えられるが、産業革命以前のヨーロッパでの大流行などでは、流行のスピードがとても速いので、ネズミを介さずに、ヒトノミやヒトジラミなどを介してヒトからヒトへ感染していただろう、という話です。たぶん、産業革命以前のヨーロッパでは、ヒトがノミやシラミを普通に持っていたのでしょう。

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