アルコール依存症の治療薬の選択肢が広がりそう

飲酒の誘惑 薬で断つ アルコール依存症、今こそ治療…開発進みぐっと身近に
以下は、記事の抜粋です。


国内に100万人もの患者がいるといわれるアルコール依存症の治療の選択肢が広がってきた。飲酒時に強烈な不快感を引き起こす抗酒薬のほか、お酒を飲みたいという欲求を減らす飲酒抑制薬が登場。飲み会の前に飲んで効果が期待できるなどより手軽に服用できる薬の開発も進む。飲酒への誘惑を断ち切れるように自分に合った治療が選べる時代になってきた。


現在、アルコール依存症の治療薬としては、『ノックビン®(一般名:ジスルフィラム)』と『シアナマイド®(一般名:シアナミド)』、『レグテクト®(一般名:アカンプロサート)』という3種類の薬が用いられています。ノックビン®とシアナマイド®は以前から使われている薬で、下の図のようにアセトアルデヒド脱水素酵素を阻害して、体内のアセトアルデヒドを増やし、少量の飲酒でも二日酔いでみられる頭痛や吐き気をおこして、酒を嫌いにさせようとする薬で、抗酒薬とか嫌酒薬とかよばれています。どちらも飲酒時の頻脈などにより心臓や肝臓への負担が大きいため高齢者には使いにくい薬です(上の図)。

一方、レグテクト®(アカンプロサート)は2013年に発売された新しい薬で、アセトアルデヒド脱水素酵素阻害薬ではなく、中枢神経系におけるNMDA受容体の阻害作用とGABA-A受容体刺激作用によると考えられています。詳しいメカニズムは未だ不明です(下の図)。「飲みたいという気持ち」そのものを軽減させる作用があるとされており、「飲酒抑制薬」とよばれています。比較的安全性が高く、抗酒薬のように飲酒時の頻脈などを引き起こさないため、高齢者などにも投与しやすいとされています。ノックビン®との併用も可能です。

記事によると、本ブログで2011年に紹介した「ナメルフェン」がようやく国内販売されそうです。大塚製薬が本年10月に製造販売承認を厚生労働省に申請したそうです。ナルメフェンは、オピオイド受容体というモルヒネが結合する受容体の競合的拮抗薬です。飲酒をやめることではなく、患者のアルコール摂取量を減らすことを目的に開発された飲酒抑制薬で、1杯目を飲む前に薬を服用することで効果が期待できるそうです。

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