PD-L1が標的の初の免疫チェックポイント阻害薬、アベルマブ(バベンチオ®)

【新薬】アベルマブ(バベンチオ)PD-L1が標的の初の免疫チェックポイント阻害薬
以下は、記事の抜粋です。


2017年11月22日、抗悪性腫瘍薬アベルマブ(商品名バベンチオ点滴静注200mg)が薬価収載と同時に発売された。適応は「根治切除不能なメルケル細胞癌」。成人に2週間間隔で、1回10mg/kgを1時間以上かけて点滴静注する。

メルケル細胞癌は極めてまれな皮膚悪性腫瘍であり、日本での患者数は100人に満たないと推定されている。メルケル細胞癌は、非常に進行が早く予後不良であり、手術療法、放射線療法、化学療法などがあるものの有効な治療方法がないのが現状であった。

腫瘍細胞は、腫瘍微小環境における免疫監視機構から逃れるため、しばしば免疫チェックポイントであるプログラム細胞死リガンド1(Programmed cell Death ligand 1:PD-L1)を過剰発現し、T細胞表面にある受容体であるプログラム細胞死1(Programmed cell Death 1:PD-1)に特異的に結合することで免疫システムを抑制することが分かっている。

アベルマブはPD-L1に結合し、PD-1との相互作用を阻害する日本初のヒト型抗ヒトPD-L1モノクローナル抗体である。近年、免疫チェックポイント阻害薬として抗PD-1モノクローナル抗体が注目されているが、アベルマブはPD-1ではなくPD-L1に結合するという違いがある。

アベルマブは腫瘍細胞上のPD-L1とT細胞上のPD-1 の結合を阻害することで、腫瘍細胞によるT細胞の抑制を解除し、抗腫瘍免疫応答を効果的に増強すると考えられている。

アベルマブと同じ免疫チェックポイント阻害薬としては、PD-1に対するニボルマブ(オプジーボ)が悪性黒色腫、非小細胞肺癌、腎細胞癌、ホジキンリンパ腫、頭頚部癌、胃癌に、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)が悪性黒色腫、非小細胞肺癌、ホジキンリンパ腫に、さらにT細胞上に存在する受容体CTLA-4(Cytotoxic T Lymphocyte-associated Antigen 4)に対するイピリムマブ(ヤーボイ)が悪性黒色腫に対して適応を有し、現在臨床使用されている。


アベルマブ(バベンチオ®)は、ニボルマブ(オプジーボ®、抗PD-1抗体)と類似の作用機序です。ニボルマブ(抗PD-1抗体) も患者数の少ない悪性黒色腫で承認を取得後、非小細胞肺がんなど複数のがん種 に適応拡大しました。

アベルマブ(バベンチオ®)も同様の適応拡大戦略のようで、複数の国際共同臨床第3相(P3)試験が進行中です。具体的には、ニボルマブ(抗PD-1抗体)とほぼ同じ非小細胞肺がん、胃がん、腎細胞がん、卵巣が ん、頭頸部がん、膀胱がん―の6種類で承認申請を目指しています。 アメリカでは、FDA(食品医薬品局)がMCCと尿路上皮がんで承認済みです。

治療選択肢だけではなく、治療効果の増大も期待したいと思います。

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