Women’s health champion, Dr Riko Muranaka, awarded the 2017 John Maddox Prize for Standing up for Science(女性の健康の守護者、村上璃子医師が2017年度の「科学のために立ち上がる」ジョン・マドックス賞を受賞)

海外の一流科学誌「ネイチャー」 HPVワクチンの安全性を検証してきた医師・ジャーナリストの村中璃子さんを表彰
以下は、記事の抜粋です。


ネイチャーは、HPVワクチンについて、「子宮頸がんやその他のがんを防ぐ鍵として、科学界や医療界で認められ、WHO(世界保健機関)に支持されている」と評価。

その上で、”In Japan the vaccine has been subject to a national misinformation campaign to discredit its benefits,resulting in vaccination rates falling from 70% to less than 1%(日本においては、このワクチンの信頼性を貶める誤った情報キャンペーンが全国的に繰り広げられた。その結果、接種率は70%から1%未満に落ち込んだ)”と指摘し、日本の状況を厳しく批判した。

そして、村中さんの言論活動を「困難や敵意に直面しながらも、公共の利益のために科学や科学的根拠を広めた」と評価し、25か国、100の候補者の中から選んだとしている。

HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐワクチンだ。日本では、2013年4月に小学6年生から高校1年生の女子を対象に公費で打てる定期接種となったが、注射後に痛みやけいれんなど多様な症状を訴える声が相次ぎ、同年6月に国は積極的に国民に勧めることを停止した。

この頃からマスメディアは、けいれんや痛みを訴える女の子を積極的に取り上げ、「怖いワクチン」というイメージが世の中に広く浸透。ほとんど接種する人がいなくなった。

村中さんも2014年頃、テレビでけいれんする女の子を見て、「これは薬害なのか?」と疑いを持って取材を始めたという。ところが、小児科医や小児精神科医を取材したところ、ワクチンを打っていなくても、思春期特有の症状として同様の症状を訴える子供が多いことに気づく。

1年ほど取材を重ね、2015年10月から、雑誌「ウェッジ」などに、HPVワクチン接種後の多彩な症状は薬害ではないのではないかと科学的に検証する記事を次々に発表していった。しかし、記事が出た後、『村中はワクチンメーカーから金をもらって書いている』という噂が流され、抗議の電話が厚生労働省にも殺到したそうだ。

厚労省は、治療法を探るために二つの研究班を設置した。そのうちの一つ、池田修一・信州大学医学部長(当時)を班長とする通称「池田班」が行った2016年3月の研究内容の発表に、「捏造行為があった」と指摘する記事を書いたのも村中さんだ。

池田氏は村中さんやウェッジらに対し、名誉を毀損されたとして訴訟を起こした。この問題について、池田氏側は研究班長として他のメンバーの実験内容を発表しただけで、実験内容には関与していないため、捏造ではないと主張している。

この研究発表の直後には、薬害であると訴える人たちによって、国や製薬会社に損害賠償を求める集団訴訟も全国で起きた。

村中氏は「訴訟以降は、当時持っていた3つの連載は全て切られてしまいました。私は、『薬害を薬害でないと言っている悪者』と位置付けられ、ほとんどメディアで記事を発信することができなくなりました」と語る。

これについても、ネイチャーは、「訴訟で彼女の口を封じようとし、彼女の専門家としての地位を貶めようとする動きに直面しながらも、このワクチンの安全性について科学的根拠を明らかにし続けた。これにより、科学的根拠を重視することが日本人だけでなく世界の公衆衛生に対しても役立つということを保証してきた」と論評している。

厚労省はワクチンの安全性を検証する検討会で、ワクチン接種後の体調不良の多くは、心理的・社会的な要因が関連する心身反応(機能性身体障害)と結論づけている。さらに、厚労研究班(祖父江班)が行った全国疫学調査で、ワクチンを打っていない人でも、接種後に体調不良を訴える女子と似た多様な症状が見られることが明らかにされた。

日本小児科学会や日本産科婦人科学会など17の関連学術学会は2016年4月に、積極的な接種を推奨する見解を発表。一方、ワクチン接種の機会が与えられないことが長引く中、子宮頸がんの発症リスクはワクチン導入前のレベルに戻っているという研究報告も出始めている。

WHOも2015年12月に「若い女性たちはワクチン接種によって予防しうるHPV関連のがんに対して無防備になっている。弱い科学的根拠に基づく政策決定は、安全かつ有効なワクチンを使用しないことにつながり、実害をもたらしうる」と日本を名指しで批判。今年7月にも改めて「HPVワクチンと様々な症状との因果関係を示す根拠は今のところない」「HPVワクチンは極めて安全」という見解を公表した。

それでも、国は積極的な接種勧奨を再開するかどうか、判断を先送りしたままだ。


2017 John Maddox Prizeのホームページには以下のように書かれています(ホームページをみる)。


Dr Riko Muranaka has been awarded the international 2017 John Maddox Prize for promoting science and evidence on a matter of public interest, despite facing difficulty and hostility in doing so. A journalist and lecturer at Kyoto University, Dr Muranaka is recognised for her work championing the use of evidence in public discussions of the Human Papilloma Virus (HPV) vaccine.

村上璃子氏は、困難と敵意に直面しながらも、公共の利益のために科学と根拠を推進したことにより、2017年度の国際John Maddox Prizeを授与された。ジャーナリストで京都大学講師の村上医師は、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの日本での議論において、科学的根拠に基づいた証拠を用いることを支持し続けた業績が認められた。


The John Maddox Prizeという賞は、ホームページによると、 Nature誌のエディターを22年間務めたJohn Maddox氏にちなんで設けられた賞で、困難と敵意に直面しながらも、公共の利益のために健全な科学と根拠を推進した業績(recognises the work of individuals who promote sound science and evidence on a matter of public interest, facing difficulty or hostility in doing so.)に対して送られます。この賞は、John Maddox氏が逝去した2009年から、Nature誌とthe Kohn Foundationにより設立されたそうです。毎年の受賞者は2,000ユーロ(約27万円)を受け取り、ネイチャー誌により発表されます。

記事に書かれているように、「どんな判断材料があったら再開するのか、国が判断を示せないでいるのが一番の問題です。国は国民の命に責任を持たなくてはいけないはずです」。また、メディアは、「被害を訴えている人の側から書くのが楽だし、売れるのでしょうが、真実は何であるのかという判断を放棄しています。」

メジャーなメディアは受賞についてもほとんど沈黙しています。産経の記事も受賞の内容にはほとんど触れていません。

この賞に村中氏を推薦した日本産婦人科医会会長の木下勝之氏は”Good Job”でした。彼が言うように、「この受賞が、HPVワクチンを日本社会で使うことを推進していくために、厚労省に強いインパクトを与えること、さらに、このワクチンがもたらす多大な公共の利益に疑念を抱く医療の専門家やジャーナリストに対し、この表彰が考えを改めさせる」ことを祈ります。

本ブログでも村上氏の記事を取り上げていました。
あの激しいけいれんは本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのか?

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コメント

  1. 「厚労省はワクチンの安全性を検証する検討会で、ワクチン接種後の体調不良の多くは、心理的・社会的な要因が関連する心身反応(機能性身体障害)と結論づけている」
    というのは、問題があると考えます。アメブロをなさっている鍼灸院の先生は、初め、ワクチン接種後の副反応が出た患者さんを診て、役所に接種を一時中止するように申し入れをしたりなさり、患者さんのデトックスを進めた結果、快方に向かったとのことで、ご自分の家族には接種を勧めないというご意見でした。そういうわけで、デトックスを勧めないと快方に向かわない「何か」があるのです。「心理的・社会的な要因が関連する心身反応(機能性身体障害)」という厚労省の結論を信じて精神神経関係の専門家に行き、投薬された人たちのほうが予後が悪いようですよ?

    (1)接種を勧奨する前に、議論が尽くされなかったことが最悪。
    (2)尽くした議論をオープンにして、接種を奨める専門家と、やはり奨めない専門家と、両方いるのが正常な民主社会。
    (3)歴史的身体の持ち主を無視して、接種を強要するのは、憲法違反。
    (4)歴史的身体の持ち主=接種を受けるか受けないか自分で決める当人に(後悔することがないように)助言するのが、保護者と専門家の務めです。

    (4)に関連して、箱庭療法の専門家のブログに、以下のコメントをしました。
    http://ptsd.red/2015/06/14/%e5%ad%90%e5%ae%ae%e9%a0%b8%e3%81%8c%e3%82%93%e4%ba%88%e9%98%b2%e3%83%af%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%b3%e6%8e%a8%e5%a5%a8%e4%b8%ad%e6%96%ad%ef%bc%92%e5%b9%b4%e3%82%82ptsd%e7%99%ba%e7%97%87%e4%b8%ad/#comment-13516

    以上のことと、先生が記事に書かれた村中氏に対する誹謗中傷&言論弾圧は、別問題です。
    誹謗中傷&言論弾圧は、誰に対してもやってはならないことですね。
    「パパラッチ」(© Forbes)もやってはダメです。
    自然科学を含めて、あらゆる学問は、人類の福祉のためにのみ進めるべきですから。
    そして、いかなる問題が起きようとも、人道的に対処しようという姿勢を崩さないのが学問です。逆に言えば、大学を人民制圧のツールにしている人たちは、人道的に対処しようという姿勢ではありませんから、学問を進めているとは言えません。

    なお、村中氏に対する誹謗中傷が起きたのは、PTSD現象です。PTSD現象学を進め、そういうことが起きないようにするには、どうすれば良いのか、研究すると良いでしょう。
    人類の福祉のために。