足底のイボ:サリチル酸を含む軟膏と液体窒素による凍結治療、治療効果に差は無い(2回目)

2011年の本ブログに「足底のイボ:サリチル酸を含む安価な軟膏と液体窒素による高価な凍結治療、治療効果に差は無い」という記事を投稿し、”Cryotherapy versus salicylic acid for the treatment of plantar warts (verrucae): a randomised controlled trial”という論文を紹介しました(論文をみる)。この論文は、発表後1つの総説に引用されています(総説をみる)。この総説では、痛みという点でも、サリチル酸軟膏の方が凍結治療よりも少ないので、サリチル酸が優れていると書かれています。結果を否定する論文も出ていません。ということで、イボに悩む人のためにもう一度紹介します。

以下は、論文要約の抜粋です。


目的:足底の疣贅(イボ)の治療方法として、凍結治療とサリチル酸を比較する。

方法:12歳以上の足底イボ患者で、凍結治療とサリチル酸の両方に適応のある240例を対象として、英国の多施設において、イボ除去効果を比較する非盲検無作為化試験を実施した。主要転帰尺度は12週時のイボ完全消失率とした。

結果と結論:12週時のイボ完全消失率は、サリチル酸群対凍結治療群で、14%対14%で、年齢、治療歴の有無、イボのタイプによる違いもなかった。これらの結果から、足底の疣贅(イボ)の治療方法として、サリチル酸と凍結治療は同程度に効果的であると結論した。


疣贅(イボ)はヒューマンパピローマウイルス(HPV)感染によっておこります。HPVには100種類以上あり、足の裏のイボは、HPV1、HPV2、HPV4、HPV7などが表皮細胞に感染することによって生じるとされています。同じHPVでも子宮頸がんをおこすHPV16やHPV18とは異なるウイルスです。

足底のイボは子供にできやすく、論文ではオーストラリアの16-18歳の24%に認められると書かれています。日本ではこれほど多いとは思えませんが、非常によくある皮膚疾患です。また、多くのイボは何も治療しなくても消退するそうです。

足底のイボに対する最も一般的な治療は、この論文に出てくるサリチル酸の局所適用と凍結治療だそうですが、これまでこれら2つの方法をそれなりの規模で正しく比較した臨床試験がなかったそうです。これら2つの治療効果に差はないので、安価なサリチル酸が優れているというのが論文の結論です。

ただし、手のイボには凍結治療がサリチル酸よりも優れているという報告があるそうです。また、この研究で用いられたサリチル酸濃度は50%ですが、市販されている軟膏には15%などのものもあり、その有効性についてはわからないとしています。

論文ではVerrugonという軟膏が出てきますが、これはおそらく”verruca”(いぼ)に由来する商品名で、日本なら「イボコロリ」のようなものです。実際、イボコロリは有効成分としてサリチル酸を含みます。「スピール膏」というのも同様にサリチル酸を含む軟膏です。これまで私は、理由もなく凍結治療の方が効果的だと思っていたので、この論文を紹介しました。

50%サリチル酸を含むスピール膏(ニチバンより)

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