治験:カルボニル(糖化)ストレスを抑制するビタミンB6を用いた統合失調症症状の改善

都医学総研、統合失調症改善へ治験 ビタミンB6で

以下は、記事の抜粋です。


東京都医学総合研究所の糸川研究員らは、ビタミンB6化合物の「ピリドキサミン」が統合失調症の症状改善に役立つ可能性があることを突き止めた。医師主導の臨床試験を10人の患者で実施したところ、8人で症状が改善した。中堅製薬会社の興和と共同で今秋にも治験を始める計画で、2020年ごろの承認を目指す。


統合失調症の原因解明のために―カルボニルストレスとは?からの説明を以下に紹介します。


カルボニルストレスは、糖鎖が結合するという糖化現象です。同じようなものでよく知られているのはヘモグロビンA1cです。これはヘモグロビンに高血糖の状態で糖が付加されて、糖鎖が結合しているものです。

糖化現象そのものは可逆性なのですが、糖化がいろいろな反応を経て終末糖化産物(AGEs)というものが発生すると、それはもう元へは戻りません。その終末糖化産物ができることをカルボニルストレスといいます。

カルボニルストレスの解毒酵素を欠損したある患者さんを見つけたことをきっかけに、その酵素が欠損していなくても、一般症例にもカルボニルストレスがあるということを見つけました。

脳の中で糖鎖がどこに結合しているのか―ドーパミンの受容体なのか、セロトニン神経なのか、それはまだ分かっていません。ただ、そのグリケーション(糖化)が亢進した患者さんは認知機能が低下して、陰性症状が悪いことが多いのです。

メイラード反応というものを経て糖化が起きるのですが、そのメイラード反応を特殊な活性型ビタミンで抑えることができます。あるいはこの最終糖化産物の前駆体であるカルボニル化合物を、ピリドキサミンという特殊なビタミンが捕捉して腎臓から排泄させます。そして医師主導治験でこの糖化を抑えることを、10例を対象に行ったのです。


専門家の方へという詳しいサイトもあります。


糸川氏らは、統合失調症全体の4割の患者さんがカルボニルストレスを持っている(終末糖化産物の1種であるペントシジンという物質が増加し、ビタミンB6が低下している)ことやビタミンB6の値が低くなると症状が重くなることを見つけたそうです。

そこで、このような統合失調症の患者さんに対して、「カルボニルストレスを抑制する作用がある特殊型ビタミンB6(ピリドキサミン)を補充する」ことで治療できるのではと考えているそうです。

大規模臨床試験での良い結果を期待しています。

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