数種類の降圧薬を低用量ずつ使用することで、優れた効果を発揮か

数種類の降圧薬を低用量ずつ使用することで、優れた効果を発揮か
以下は、記事の抜粋です。


複数の種類の降圧薬を低用量ずつ組み合わせて使用した方が、1種類の降圧薬を標準用量で使用するよりも降圧効果が優れている可能性が、Anthony Rodgers氏らによる研究で示された。

メタ解析の解析対象は、42件のランダム化比較試験(RCT)に参加した成人の高血圧患者2万284人。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、サイアザイド系利尿薬、カルシウム拮抗薬など、さまざまな種類の降圧薬が使用されていた。

解析の結果、2種類の降圧薬を低用量(標準用量の4分の1)ずつ用いた併用治療による降圧効果は、標準用量の単剤治療と同程度であることが示された。また、低用量の降圧薬を併用する場合、薬剤の種類が増えるほど降圧効果が高まることも分かった。4種類の降圧薬を低用量ずつ用いた併用治療では、標準用量の単剤治療と比べて収縮期血圧(SBP)が22.4mmHg、拡張期血圧(DBP)が13.1mmHg低下することを示したRCTも1件あった。

一方、有害事象に関しては、低用量を1種類あるいは2種類用いた治療の方が標準用量を1種類用いた治療よりも頻度が低かった。


元論文のタイトルは、”Efficacy and Safety of Quarter-Dose Blood Pressure–Lowering Agents”です(論文をみる)。

記事に書かれているように、降圧薬にはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、サイアザイド系利尿薬、カルシウム拮抗薬など様々な作用機序の降圧薬があり、どの薬を選ぶかは治療の重要なポイントとなりますが、いずれも単独では効果が不十分な場合が多く、高用量になると副作用が問題となることも珍しくないです。

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、「降圧薬治療の原則は,1日 1回投与の薬物を,低用量から開始する。増量時には1日2回の投与も考慮する。副作用を回避し,降圧効果を高めるために適切な降圧薬の併用療法を行う。Ⅱ度以上の高血圧では初期から併用療法を考慮する。 」と書かれています。

このガイドラインだと、単剤で効果が不十分な場合は、最初に使った薬剤の量はそのままで、第2剤を投与することになりますが、このような使い方は併用薬が増えるほど有害事象が増える「ポリファーマシー(多剤併用)」として、特に高齢者の場合には避けるべきだとされています。

本研究の結果がさらに大規模試験などで確認されると、低用量の単剤で有効でない場合は、次の段階として、その薬剤を増量するのではなく、他の低用量の薬剤を併用することが推奨される可能性もあります。将来の展開を注目したいと思います。

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