自閉症に対するスラミン(suramin)の臨床試験がⅠ ~Ⅱ相で好結果を示した

自閉症のゲームチェンジャー。100年以上前の薬に目覚ましい効果があることが確認される(米研究)
以下は、記事の抜粋です。


カリフォルニア大学のロバート・ナビオ(Robert Naviaux)博士が、1916年に開発されたスラミンという薬を5~14歳の自閉症の子供に投与したところ、目覚ましい効果が得られたのだそうだ。

10名の被験者の半数にスラミンを投与、残り半数にはプラセボを与えた。被験者のうち4名(6歳2名、14歳2名)は話すことができなかったが、スラミンを投与して1週間もすると生まれて初めての言葉を発したという。こうしたことはプラセボ投与グループには起きなかった。

スラミンは、サブサハラアフリカに生息するツェツェバエが媒介する寄生虫が原因とされるアフリカ睡眠病の治療薬として開発された。

実験は2013年にマウスで開始されていたが、人間の子供に投与されたのは今回が初めてだ。


元論文のタイトルは、”Low-dose suramin in autism spectrum disorder: a small, phase I/II, randomized clinical trial”です(論文をみる)。

西川伸一先生もこの論文を読んで、「自閉症に対するスラミンの安全性と効果を確かめる小規模治験」という記事を書いておられます(記事をみる)。

西川先生は、「スラミンの効果だが、自閉症児と暮らしている親から見て言語能力や社会性が回復するのが実感されるらしい。自閉症の程度を測る最も信頼されるADOS検査で見ても、はっきりと改善が見られている。一方、生理食塩水投与では変化はない。自閉症の薬剤治療としてはオキシトシンやリスペリドンしか存在していなかったが、スラミンは治療薬の重要な候補にリストされたように思う。」と強く期待されているようです。

臨床試験の第Ⅰ相と第Ⅱ相で良い結果が出たということは、少数例(この場合は10例)での有効性・安全性・薬物動態などが確認されたということです。承認されるためには数百例以上の症例を対象とした第Ⅲ相でも良い結果が得られる必要があり、第Ⅰ相と第Ⅱ相で良い結果が出ても第Ⅲ相の結果がダメでボツになった薬は少なくありません。第Ⅲ相での良い結果を期待しましょう。

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コメント

  1. あ* より:

    薬物療法に期待するのは自由ですが、
    遊戯療法とか親子一緒の箱庭療法=芸術療法のほうが
    副作用がないだけに第一選択肢としてお奨めできるように思いました。

    どうも、お邪魔しました。