ノシーボ効果(ノセボ効果、ノーシーボ効果、反偽薬効果、nocebo effect)について

「副作用で筋肉が溶けた?」コレステロールの薬は本当に危ないのか
以下は、記事の抜粋です。


血中のコレステロールを減らすスタチンという薬は、まれに横紋筋融解症という副作用を引き起こします。しかし、スタチンと知って飲むかどうかによって有害事象の現れかたが違ったことが報告されました。

この研究は、スタチンに分類されるアトルバスタチンという薬剤の効果を確かめるために以前に行われた研究と、その後の追跡によって得られたデータを解析したものです。

対象者はランダムに2グループに分けられ、1日10mgのアトルバスタチンを飲むグループ、偽薬を飲むグループとされました。この間、参加者は自分がどちらのグループかを知らされていませんでした。この方法をブラインドと言います。

この研究はアトルバスタチンの効果が示されたため打ち切りとなりましたが、以後の参加者はアトルバスタチンを飲むか飲まないかを自分で選べることとされ、経過は引き続き記録されました。つまり、途中から、アトルバスタチンを飲んでいる人はアトルバスタチンと知ったうえで(ブラインドされないで)飲んでいました。

ブラインドされた期間の1年あたりに、筋関連有害事象が現れた割合はアトルバスタチンのグループで2.03%、偽薬のグループで2.00%であり、統計的に差が見られませんでした。

ブラインドされなかった期間の1年あたりでは、筋関連有害事象が現れた割合はアトルバスタチンを飲んだ人で1.26%、飲まなかった人で1.00%であり、アトルバスタチンを飲んだ人のほうが多くなりました。

つまり、アトルバスタチンを飲むかどうかによって、筋関連有害事象の割合はブラインドされていれば違いがなかったのに対して、ブラインドされていなければ差がありました。


元論文のタイトルは、”Adverse events associated with unblinded, but not with blinded, statin therapy in the Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial-Lipid-Lowering Arm (ASCOT-LLA): a randomised double-blind placebo-controlled trial and its non-randomised non-blind extension phase.”です(論文をみる)。

このような「副作用があると思って飲むと副作用が出る?」効果のことを「ノシーボ効果(ノセボ効果、ノーシーボ効果、反偽薬効果、nocebo effect)」とよびます(説明をみる)。

関連記事に紹介したように、週刊現代などのメディアは、スタチン関連の副作用を誇張してセンセーショナルに報道することによって読者を獲得しようとしています。これらのメディアがノシーボ効果に貢献していることは間違いないでしょう。

しかし、横紋筋融解症は恐ろしい副作用ですし、AST(GOT)やALT(GPT)等の肝機能値が上昇する肝機能障害は比較的よく見られます。最初からアトルバスタチン(リピトール®)のような「ストロングスタチン」を使うのは避け、プラバスタチン(メバロチン®)のようなスタンダードスタチンから始めるのが安全だと思います。

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