子宮頸がん予防ワクチンを「おやめになったほうがいい」とアドバイスする医師について

以下は、私の子宮頸がん予防ワクチンに関する考え方です。

日本で問題になった重症例が全てワクチンの副作用だと仮定しても、20代前半までの女性5万人に1人以下の率です。一方、子宮がんになる可能性は76人に1人です。子宮頸がんによる死亡は毎年3000人以上です。ワクチンで約5割の発症が予防できるとされています。即ち、年間1500人以上の子宮頸がん死が防げることになります。また別の計算では、副作用の疑い1件に対し、防げる子宮頸がん患者は310人、防げる死者は90人になります。

このように、明らかにベネフィットがリスクを上回っていますので、関連記事に紹介したように、ワクチンの日本での発売以前から一貫して接種を勧め、副反応とされる問題で厚労省が接種の呼びかけを中止してからもできる限り早く再開するべきだと主張してきました。

ところが、最近以下のような記事と医師を見つけて驚きました。デイリースポーツが4月14日に配信したそうです。批判記事なのでそのまま転載します。


子宮頸がん予防ワクチン?おやめになったほうがいい

【Q】娘に子宮頸がん予防ワクチンを受けさせたいと思っていましたが、副作用の問題を報道などで見ると怖くなりました。(50代女性)

【A】先にご質問にお答えします。「おやめになった方がよろしい」です。子宮頸がん予防ワクチンは、日本では厚生労働省より2009年に認可されましたが、報告される数々の有害事象から、4年後の13年、事実上の定期接種停止状態となりました。

日本で子宮頸がんを予防するために、このワクチンが果たす役割は高くありません。サーバリックスは、高リスクに子宮頸がんを引き起こすとされる15種類のHPV(ヒトパピローマウイルス)のうち16型と18型のHPVに対して予防効果が認められています。ところが実際には高リスクHPVのうち、日本では52型と58型のHPVが高危険型であって、18型は自然治癒することも多く、小学生にまでサーバリックスの集団接種を勧奨する意義はありません。

ガーダシルは「HPV6、11、16、18型」の4つに予防効果がありますが、これらに感染しても90%は免疫によって自然消失し、子宮頸がんに進展するのは0.1~o.15%、さらに感染してからがんが発症するまで10年以上かかります。日本人について言えば「HPV6、11、16、18型」による子宮頸がん予防ワクチンも効果は怪しいものです。

サーバリックスの日本国内での臨床試験では、海外で報告があるにもかかわらず、死亡例や重篤なショックなどの副作用がみられなかったために頻度不明としています。また最新の研究でガーダシルは子宮頸がんの発生リスクを逆に45%増加させるという報告もあります。ゆえに「子宮頸がんワクチンは、無益であるばかりか有害である」として言い過ぎではないでしょう。

日本で高危険型とされるHPVに対する予防効果が期待できないワクチンの接種を、厚労省はあたかも子宮頸がん予防の決定打のように集団接種まで行いながら、わずか4年で「積極的な投与推奨を中止するよう」通達を出しました。十分に検証されないまま、費用を自治体が負担することで多くの保護者が我が娘への接種を希望した、これは間違った世論誘導だったと言えます。近い将来、サーバリックスもガーダシルもこの業界から消える運命にあると私は思っています。

◆回答者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤研究会会長。


上の記事で松本氏が述べたとされていることがどれほど怪しいか、即ち、氏が科学的根拠にまったく基づかずに「おやめになったほうがいい」と断言していることが良くわかります。

「子宮頸がん予防ワクチン?おやめになったほうがいい」のファクトチェック

英国 King’s College Hospital 胎児科 医師の林 伸彦氏は、「客観的なデータを示さないまま、世界的コンセンサスに反する(それが女性たちの健康を損ねうる)記事を発信するのは、完全にモラルがないと言えます。」と松本氏の記事を批判しておられます(記事をみる)。私もまったく同感です。

林氏は、「本来、正しい情報を社会に発信すべき医師・メディアが、客観的なデータを一つも示さずに、『おやめになった方がよろしい』という一医師の回答というスタイルで広く一般に情報発信したことは由々しき問題だと考えます。」とも書かれています。これもまったく同感です。おそらく、松本氏は「個人の経験」を元に行う医療行為をされる古いタイプの医師だと思います。不思議にこの種の医師のクリニックが良く流行っていたりします。気を付けてください。

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コメント

  1. これまた私見で、申し訳ありませんが、
    いわゆるHPVワクチンをやめた方が良いかどうかは、人類レベルの
    PTSD問題なのです。

    なぜ、そういうことになってしまうかというと、
    複合汚染問題があるからでしょう。