遺伝子組換え技術で、綿とインディゴが安全かつ安価に生産できるようになって、ジーンズが安くなるかも

遺伝子組み換えでジーンズに価格破壊の波…遺伝子組み換え技術でジーンズはかつてないほど安く商業生産可能に
以下は、記事の抜粋です。


研究者は、ブルージーンズの主要材料である綿布とインディゴ染料をこれまでよりも安く生産する方法を開発した。もうすぐ、かつてないほど安くジーンズを商業生産できるようになる。

遺伝子組み換えコットンはバチルス・チューリンゲンシス(Bt)という細菌の新たな遺伝子を綿に組み入れてつくる。この遺伝子から出現するタンパク質は特定の虫に対しては毒性を持つが、人間やその他の哺乳動物には害はない。Btの生菌は1961年に米国で初めて承認され、現在では庭いじりをする人や農家に利用されている。その安全性と効果は実証済みだ。

Btコットンに切り替えれば、農家は、虫による収穫被害の4分の1を占める主要害虫――アメリカタバコガ、ワタアカミムシなど――を抑制することができる。この技術の導入で綿の収穫高は1996年から2014年までの間に平均17.3%増加した。さらに、Btコットンは使用する農薬の量を劇的に減らすので、環境にも農家にも優しい。

ジーンズのもう1つの主要原材料であるインディゴ染料は一般的に、毒性の強い化学物質を使って何段階かの複雑な過程を経て合成される。労働者や環境を毒性から保護するには特別な設備と予防措置が欠かせない。
インディゴ染料も遺伝子を組み換えたバクテリアを使ってつくることができる。製造工程は通常のインディゴ染料より少ない上、毒性の強い有機溶剤は使用せず、廃棄物に毒性はない。


細菌Bacillius thuringiensis (Bt)由来の殺虫性タンパク質を発現するように遺伝子操作されたトランスジェニックコットン(Btコットン)やトウモロコシ(Btトウモロコシ)は、米国の農業に広く受け入れられています。

Bt作物は導入から既に10年以上が経過していますが、環境汚染による人的被害や耐性昆虫の出現は報告されていません。少し古いデータですが、2009年には、Btトウモロコシは米国で2220万ヘクタール以上に植えられ、収穫の63%を占めたそうです。関連記事で紹介したように、隣接した非遺伝子組換えトウモロコシ栽培にも経済的利益をもたらすことも報告されています(記事をみる)。

今回の記事では、インディゴ染料も遺伝子組換え技術によって、より安全かつ環境にやさしく、さらに安価にできる可能性が示されています。

どんな技術にもリスクとベネフィットがあります。初期の頃の技術のリスクばかりに目を向けていると、大きなベネフィットを失う可能性があります。逆に、目先のベネフィットにばかり目を向けていると、原子力発電技術のように、大きなリスクを忘れてしまいます。

医学を含めて、リスクが全くない技術はありません。リスクを最小にしてベネフィットを最大にする技術改革が常に求められていると思います。

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