気分障害を有する患者や高リスクの高血圧患者にはRA系の降圧薬を使うのが無難

降圧薬4種、気分障害の影響に差【米国心臓学会】スコットランド25万例超の観察研究

以下は、米国心臓学会の記事の抜粋です。


汎用されている4種の降圧薬による気分障害への影響は異なるとの研究結果がHypertension誌に掲載されたと米国心臓学会(AHA)が紹介した。

スコットランドの大規模二次医療施設を受診した40-80歳の患者52万5046例のデータを収集し、レニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬またはサイアザイド系利尿薬を使用していた高血圧患者14万4066例とこれら4種の薬剤を使用していない11万1936例を抽出。基準日から5年にわたるうつ病や双極性障害といった気分障害による入院の割合を比較した。

対象降圧薬開始から90日以降において299件の気分障害による入院が報告された。そのほとんどは大うつ病性障害と診断されており、降圧薬開始から入院までの平均期間は2.3年だった。

使用降圧薬別の解析では、β遮断薬とCa拮抗薬使用群はRA系阻害薬群に比べ、気分障害による入院リスクが2倍上昇していた。RA系阻害薬群の同入院リスクはその他の降圧薬群、あるいは降圧薬非使用群の中で最も低かった。サイアザイド系利尿薬群の同入院リスクは降圧薬非使用群と同程度であった。また、他の併用薬があった場合、気分障害のリスクは上昇する傾向が認められた。

研究グループは今回の結果の再現性を確認する必要はあるが、RA系阻害薬が気分障害を有する患者に考慮できる可能性が示されたと述べている。


元論文のタイトルは、”Monotherapy With Major Antihypertensive Drug Classes and Risk of Hospital Admissions for Mood Disorders”です(論文をみる)。AHAの紹介サイトはこちらです。

気分障害による入院は、降圧薬が投与された14万4066例中の299例だけだったので、うつ病の発症を恐れて降圧薬を避けるのはナンセンスだと思います。この記事の結論のように、気分障害を有する患者や高リスクの患者にはRA系を使うのが無難ということだと思います。

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