初期(限局性)の前立腺がん 監視治療と根治治療間で生存率にほぼ差なし QOLは監視治療が優れる

初期の前立腺がん 治療の有無で生存率にほぼ差なし
以下は、記事の抜粋+αです。


初期(限局性)の前立腺がんと診断され、その後、手術などを受けた人たちの10年後の生存率は、積極的な治療を控えた人たちとほぼ差がなかったことが、長期にわたる追跡調査でわかり、研究グループは、治療に伴う副作用や転移のリスクなどを考慮したうえで、治療するかしないか考えるべきだとしています。


元論文のタイトルは、”Patient-Reported Outcomes after Monitoring, Surgery, or Radiotherapy for Prostate Cancer”です(論文をみる)。

関連記事で「前立腺癌のロボット支援と開腹手術に差はない」という論文を紹介しましたが、今回はもっと衝撃的です。限局性の前立腺がんの場合、監視療法、手術、放射線治療の前立腺がん特異的生存率は、いずれも98.8%以上で、統計的な有意差がなかったというのです。

ただし、この監視療法とは待機療法(転移出現などの病勢の明らかな増悪を待ってホルモン療法を開始する治療法)ではなく、前立腺がんマーカーのPSA血中レベルを監視(開始後1年間は3カ月ごと、その後は6~12カ月ごとに測定)して必要に応じて根治的に介入するものです。

死亡率は変わりませんが、勃起不全や尿失禁は手術が多く、放射線療法では排尿障害や直腸障害などが多く認められました。

前立腺がんは、もともと「がんで死ぬ」よりも「がんと死ぬ」ことが多い、予後の良いがんです。今後は、限局性前立腺がんの場合、監視療法が第1の治療オプションになると思います。

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