メチレンブルーは「頭がよくなる薬」か?

「頭がよくなる薬」が見つかる:米大学
以下は、記事の抜粋です。


メチレンブルーの経口投与が、短期記憶と集中力をコントロールする脳の部位の働きを増大させることが示された。

これまでの動物実験では、1回のメチレンブルーの低用量投与によって「文脈記憶」が高まることが示されている。文脈記憶とは、ある記憶とその背景を意識的に思い出すタイプの記憶ことを指す。これは、例えばある歌や臭いがきっかけとなって思い出されるタイプの記憶のことだ。

今回の臨床試験には、22~62歳までの計26人の健康な人々が参加した。参加者は低用量のメチレンブルーか対照実験用の効用のない薬を服用し、服用前と服用の1時間後にfMRIスキャンを行った。

その結果、メチレンブルーは島皮質と呼ばれる脳の領域の反応を増加させた。この領域は脳の深い部分にあり、感情の働きに関与している。さらに、記憶の処理をコントロールする前頭前皮質、知覚情報の処理を行う頭頂葉、視覚情報処理の中枢である後頭皮質といった、短期記憶を取り出す際に働く部位の反応も(メチレンブルーによって)高められることが示された。

今回の研究結果は、たった1回のメチレンブルーの投与によって、集中力の維持と短期記憶に関係する脳の働きを改善できることを示唆している。


元論文のタイトルは、”Multimodal Randomized Functional MR Imaging of the Effects of Methylene Blue in the Human Brain”です(論文をみる)。症例数は少ないですが、メチレンブルーが集中力と短期記憶を改善することを示唆しています。

メチレンブルーは、日本では中毒性メトヘモグロビン血症の治療に用いられる薬物として市販されています(資料をみる)。また、金魚などの白点病にも用いられるホームセンターなどでも安価で購入できる薬品です。皆が手を出す前に、もう少し大規模の臨床試験で安全性と効果を確認してほしいと思います。

関係ないかもしれませんが、メチレンブルーには、脳でセロトニンやドーパミンを分解するモノアミン酸化酵素(monoamine oxidase、MAO)の阻害作用があり、SSRIなどの抗うつ剤の作用を増強することが知られています。

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