骨粗しょう症の薬物治療について

骨粗しょう症の薬物治療に関する勉強会に参加する機会がありました。以下は、自分のメモとしてのまとめです。下は、今のガイドラインに書かれている各薬物の評価です。
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ガイドラインを解説した記事には以下のように書かれています。


表に骨粗鬆症治療薬の有効性の評価一覧を示す。大腿骨近位部骨折の高リスク例には、その効果が確認されているアレンドロン酸、リセドロン酸、デノスマブを選択する。また、閉経後骨粗鬆症は治療薬を長期投与する必要があり、この点を考慮すると、若年者に対してはまず選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)やエルデカルシトールなどの投与が考慮されると記載されている。

我が国の骨粗鬆症治療率は今なお30%未満とされており、まずは積極的な骨粗鬆症治療介入の拡大が必要であろう。その上で、薬物治療開始基準に合致する例に対しては、有効性を考慮した薬剤選択が望まれる。


日本で市販されている選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)には、ラロキシフェン(エビスタ®)とバゼドキシフェン(ビビアント®)の2つがあります。とちらもエストロゲン製剤によるホルモン補充療法(HRT)の目的とした薬理作用を有し、HRTの有害事象である乳腺や子宮に対する作用を持たないという特徴があります。

これまで、閉経後女性の骨粗鬆症の治療戦略として若年者ではHRTを、高齢者ではビスフォスフォネートを、といった認識だったようなので、そのままHRTの代わりにSERMと考えたのかもしれません。しかし、SERMには更年期障害に対する治療効果がない(むしろ悪化させる)ので、そう簡単には行かないように思います。

また、ビスホスホネートには、服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)及び他の薬剤の経口摂取を避けるという注意書きがありますが、先日の演者によると、30分では不十分で、60分は必要だとのことでした。これは、唯一60分の縛りがあるイバンドロン酸(ボンビバ®)に配慮したものかもしれません。

演者は、前の夜に飲んだ牛乳もビスホスホネートの吸収に影響するという話をしていました。また、経口以外の投与法については、アレンドロン酸の点滴が30分以上もかかるので、「1分で靜注が終わる」イバンドロン酸(ボンビバ®)を勧めていました。

抗ランクル抗体(デノスマブ)やテリパラチドを使うとすれば高齢者にという話の後に、例えば90歳以上の高齢者、寝たきりの高齢者、認知症の高齢者の骨粗しょう症に対して、どんな治療をするのか、あるいはしないのかという質問がありました。

また、複数の薬の組み合わせについての話の後では、ポリファーマシーを推奨することにならないのか?という質問も出ました。考えさせられる勉強会でした。

コメント

  1. kresnik より:

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    日本には低レベルなガイドラインがたくさんあり、ガイドラインの質の評価がされていないのが大きな問題だと思っています。このガイドラインがどうかは別として。
    骨粗鬆症の臨床研究って、基本的にビタミンDが低い患者は除外するか、ビタミンDを補充した上で効果を見ていますよね。そういうところを無視して、上乗せの薬の効果だけ宣伝されるのはおかしいと思っています。