オーストラリアではコイヘルペスウイルスを使った鯉の駆除が始まる

オーストラリアの鯉が最近焦っている理由
以下は、記事の抜粋です。


日本に住む私たちからするとビックリですが、オーストラリアでは鯉は嫌われ物なようです。鯉は「オーストラリア最悪の淡水有害生物」と呼ばれており、なんと年間約405億円(3億8000万米ドル)にものぼる被害を生んでいるそうです。

その駆除計画をBarnaby Joyce副首相がつい先日発表し、話題になっています。年間約11億7000万円(1100万米ドル)の予算があてられたその計画ですが、駆除方法はなんと鯉だけがかかるコイヘルペスウイルスを放つというもの。Greg Hunt環境大臣によると2018年末までにはウイルスを放つ計画のようです。

最初にウイルスが放たれるのはマレー川とダーリング川が流れるマレー・ダーリング盆地。オーストラリア政府によるとこの流域は年間数千億円の価値を生み出す貴重な資源となっているそうです。この流域に生息する多くの在来種の魚が、鯉の繁殖によって絶滅の危機に追いやられているとHunt環境大臣は述べています。

ガーディアンのレポートによると、政府の研究施設であるCSIROはこのヘルペスの治療研究に7年取り組んできており、研究者たちはこのウイルスがほかの種類の魚、哺乳類、両生類、爬虫類に害を与えることはないと述べているそうです。人間に被害が及ぶことは無いと自信を持って言える、とのこと。

それにしてもウイルスですよ。ウイルスで特定の種類の動物を駆除するってなんだか強烈ですよね。鯉からするとホラー映画まんまです。コイヘルペスウイルスは感染すると鯉の皮膚と腎臓を攻撃し、たいていの場合は1日で死に至るそうです。


マレー・ダーリング盆地は、オーストラリアで最も重要な農業地域の一つだそうで、以下の図のようにニューサウスウェールズ州 、ビクトリア州 、オーストラリア首都特別地域 、クイーンズランド州などにまたがる広大な盆地です。

日本でも、コイは多くの在来種を絶滅の危機に追いやっていますが、「在来種」であるために駆除の対象ではありません。「善意の放流」が各地で行われています。
以前、日本ではコイヘルペスウイルス感染によって、多くの養魚施設が大きなダメージを受けました。ただ、そんなに簡単に感染を人工的に広めることができるのか?、またその結果、本当にコイが駆除できるのか?興味は尽きません。関連記事で紹介した、沖縄のマングースやボルネオのネコのようにならないことを祈ります。

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