がんの血液検査…早期発見には役に立たないことも多いが、術後の再発監視に有効

がんの血液検査には「有害無益」な項目がある
以下は、記事の抜粋です。


実は、「腫瘍マーカー」あるいは「CEA」「CA19-9」といった項目は、一部の例外を除くと、がんの早期発見の役には立たず、デメリットを考えると、検査しない方がよいものがほとんどだ。

腫瘍マーカーは医療現場で広く活用されている。しかし、一般に、がんの勢いを調べて治療に生かせるのは、全身にがんが広がっている「進行がん」の場合に限られる。「早期がん」で腫瘍マーカーの数値が上昇することは、ほとんどないのだ。

例外もある。前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAは、早期から数値が上昇することが知られている。ただ、前立腺がんの早期発見のための「PSA検診」をめぐっては、世界中で賛否両論の議論が起きている。恩恵を受けるよりもはるかに多くの人に、前立腺生検や治療による肉体的・精神的・時間的・経済的な負担がもたらされる。この不利益を考えると、PSA検診は、一律に推奨できるものではない。

早期がんをたくさん見つけても、死亡する人が減らなければ、見せかけの「早期発見・早期治療」すなわち「過剰診断・過剰治療」を行っていることになり、これは不利益である。

子宮頸がん検診や大腸がん検診のように、真の「早期発見・早期治療」で多くの命を救っていると考えられているものから、PSA検診のように、一部の命を救っているとしても、「過剰診断・過剰治療」が多いもの、さらには、命を救える根拠が皆無なものまで、検診の意義はバラバラである。


「CEA」や「CA19-9」の「腫瘍マーカー」は、「早期発見」には使えないし、早期発見に使える「PSA検診」をしても、前立腺がんによる死亡を減らせないという報告もあります。また、血液検査による「早期発見」が肉体的・精神的・時間的・経済的な負担をもたらすことが多いのも事実です。

しかし、これらの血液検査がまったくの「有害無益」というわけではありません。PSAは、前立腺手術後の再発を監視するための検査としては極めて重要です。

また、血中に出てくるがん細胞由来のDNAを測定する最新の「リキッドバイオプシー」は、より特異的かつ好感度に肺がんや肝がんや大腸がんなどの再発を見つけることができます。これも、早期発見ではなく術後のフォローアップに重要です。

2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死ぬことを考えれば、今後は、がんをどう見つけるかだけではなく、これらの検査をうまく使ってがんとどう付き合うかがますます重要になると思います。