万引き、前頭側頭型認知症の影響が認められた……他のタイプの認知症やMCI(軽度認知障害)はどう?

万引き、認知症の影響…猶予中の再犯に猶予判決
以下は、記事の抜粋です。


万引き事件の執行猶予期間中に万引きをしたとして窃盗罪に問われ、起訴後、感情や行動を抑制できなくなる前頭側頭型認知症と診断された神戸市の女性被告(61)に対し、神戸地裁は4月12日、懲役1年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役1年6月)の判決を言い渡した。

女性は2014年に起こした食料品の窃盗事件で有罪判決を受け、執行猶予期間中だった。執行猶予中の再犯に執行猶予が付くのは珍しいという。

女性は万引き直後に、通報を受けた警察官に現行犯逮捕された。女性は、12年にも万引き事件を起こしており、病気の可能性を疑った家族らの勧めで専門医に診てもらったところ数年前から前頭側頭型認知症を発症していたと診断された。

判決で長井裁判長は、女性が犯行時に同認知症だったと認定した上で、「認知症の影響で衝動を抑制できなかった。治療による更生が期待できる」などと述べた。同認知症の患者は推計4万人以上だが、法曹関係者の間でその症状はあまり知られていないとされ、専門家は周知の必要性を指摘している。


認知症ネットによると、前頭側頭型認知症(FTD、Frontotemporal dementia)とは、若い人でも発症する認知症で、前頭葉と横にある側頭葉の委縮によって起こります。物忘れはあまり見られず、一般的な行動から逸脱している場合が多いために、精神疾患と誤診される場合もあるそうです(説明をみる)。治療による更生が期待できるのでしょうか?

おそらく、CTやMRIで脳の委縮が確認できたので、認知症の診断が認められたのだと思います。委縮も認められず、年齢相応の梗塞しか認められなくても、長谷川やMMSE(Mini Mental State Examination)で認知症と思われる点数をとるヒトはいます。

また、最近では、健常者と認知症の中間にあたる、MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)という段階(グレーゾーン)の存在も明らかになっています。MCIとは、認知機能(記憶、決定、理由づけ、実行など)のうち1つの機能に問題が生じてはいますが、日常生活には支障がない状態のことです(説明をみる)。

認知症患者は2025年に700万人を突破。65歳以上の5人に1人になると言われています。認知症患者と犯罪との関係や犯人の高齢化などは、今後ますます大きな問題になると思います。