悪玉コレステロール(LDL-C)を7割下げるPCSK9阻害薬が発売: 本当に夢の薬か?

LDL-Cを7割下げるPCSK9阻害薬が発売: 家族性患者には福音も薬剤費は高額に
以下は、記事の抜粋です。


低比重リポ蛋白(LDL)受容体の分解を促進する蛋白に対する抗体医薬である「PCSK9阻害薬」の登場で、高コレステロール血症の治療は新たな時代を迎えた。スタチン投与下でも、さらにLDLコレステロール(LDL-C)が7割も低下する。多剤併用してもLDL-Cが十分下がらない家族性高コレステロール血症(FH)の患者には福音だ。一方で抗体医薬のため薬剤費は高額となり、適正使用が強く求められる。

我が国でPCSK9阻害薬として最初に発売されるのが、アステラス・アムジェン・バイオファーマのエボロクマブ(商品名レパーサ)。既に今年1月に承認を取得し、4月末にも薬価が決定する見込み。次いでサノフィのアリロクマブが、今年夏には承認されそうだ。どちらも遺伝子組み換えヒト型モノクローナル抗体で、皮下注射で投与する。

エボロクマブの適応症は、FHまたは高コレステロール血症で、心血管イベントの発現リスクが高くスタチンで効果不十分な場合に限るとなっている。基本的な用法・用量は140mgを2週間に1回皮下投与、または340mgを4週間に1回皮下投与だ。


記事では、相加的なLDL-C低下効果が期待できることを理由に、PCSK9阻害薬とスタチンとの併用を求めています。併用の臨床試験結果をみて、帝京大の寺本氏は「ベースにスタチンが入っていて、さらに70%ものLDL-C低下を得るとは目を見張る結果だ。スタチンと上手に併用できれば、LDL代謝経路への介入はこれでほぼ十分といってよい」と評価しているそうです。

PCSK9阻害薬の発売を踏まえて、日米欧で高コレステロール血症の治療ガイドラインの見直しが進められているそうです。具体的には、「スタチンを十分量使い、それでも効果不十分な場合はまずエゼチミブを、次にPCSK9阻害薬を考慮するという流れになっている。」と書かれています。

PCSK9阻害薬の選択順位が後位である理由を、使用経験が短い新薬であること、心血管イベントを有意抑制するというエビデンスがまだないためだとして、今年秋にも発表される最初の大規模ランダム化比較試験後には、選択順位が上がる可能性も示唆しています。

米国では年間約1万4000ドル(約150万円)という高額な医療費についても触れ、適正使用がより重要となるとも書いていますが、記事全体としてはPSCK9阻害薬の使用を明らかに推奨しています。

甲状腺機能低下症による高コレステロール血症などでも、原因を無視して上のガイドラインで機械的にPCSK9阻害薬が投与される可能性はないでしょうか?

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