前立腺がんの粒子線治療 優位性を示せず、先進医療除外の可能性

粒子線治療:先進医療除外も 一部のがん、優位性を示せず
以下は、記事の抜粋です。


重粒子線や陽子線を患部に照射し、がんを治療する粒子線治療について、日本放射線腫瘍学会が「前立腺がんなど一部では、既存の治療法との比較で優位性を示すデータを集められなかった」とする報告書を厚生労働省に提出した。

同省は優位性を示せない部位について、有効性や副作用の有無を調べる臨床試験を求める「格下げ」や、がんの進行度に応じて先進医療からの削除も検討する。

粒子線治療は、「先進医療A」に指定され、照射のための300万円前後の費用を自己負担すれば、残りの入院や検査、投薬の費用に保険を適用できることが、診療報酬点数表に盛り込まれている。先進医療による粒子線治療が始まった2001年度以降、昨年度までに約2万1000人以上が治療を受けた。

報告書によると、前立腺がんや一部の肝臓がんなどについて、国内外の文献などを参考に生存年数や副作用のデータを既存のエックス線治療と比べた結果、症例数が少なかったり、比較条件が異なっていたりしたため優位性が証明できなかった。報告書で「先進医療Aのままでは評価に耐えるデータの蓄積は困難」と結論づけた。

粒子線治療の一部がBに「格下げ」された場合、対象となる疾患数や患者数、試験期間が限られるため、施設経営に影響が出る可能性がある。

一方、同学会は、小児がん▽骨・軟部腫瘍▽頭頸(とうけい)部がん▽原発性肝臓がん▽原発性肺がん--の5種類は有効性と安全性が認められ、他に根治療法がないことから保険適用を要望した。


粒子線治療は、深さとともに線量が減少する通常のX線やガンマ線と異なり、線量のピークの深さをがんの場所や形状に合わせて調節できるので、体の奥にあるがんにだけ線量を集中させることができるとされています(説明をみる)。

上の記事で、「狙った病巣にピンポイントで粒子を当てられるのが特徴で、高い治療効果と、正常な細胞を傷つけず副作用を抑えることが期待されている。」と書かれているのはそのためです。

前立腺がんは、高齢者に多く予後の良いがんなので、粒子線治療の優位性を証明することは難しいように思われます。放射線医学総合研究所における重粒子線治療の患者数をみると、一番多いのが前立腺がんで全体の約1/4を占めています(データをみる)。これが先進医療Aから外されると痛いでしょう。医療費をできるだけ抑制したいお役所の気持ちはわかりますが、世界に先駆けて実運用に成功した日本発の技術を大切に育てて欲しいと思います。

コメント

  1. おか~ より:

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    参考になります。