スタチンの有害性を一方的に主張し続ける医療関係者と出版社について

「コレステロール値」の嘘 第2部 健康診断の「コレステロール基準値」はこんなにいい加減。 血圧、血糖値に続いて、ここでも
賢者の知恵 2015年05月27日(水) 週刊現代 「コレステロール値」の嘘 第3部 意味のない「コレステロール値」で儲けている人たち 利権になっていた
以下は、記事の抜粋です。


「もとになった研究の調査対象には、『家族性高コレステロール血症』の方が含まれています。家族性高コレステロール血症は、生まれつきコレステロール値が高い遺伝性の病気。この患者は、心筋梗塞で亡くなるリスクが、そうでない人に比べて10倍以上も高いのです。
家族性高コレステロール血症の人を除くと、コレステロール値と心筋梗塞の死亡率の関係はほぼ完全になくなります」(富山大名誉教授/浜崎智仁医師)

浜崎医師が続ける。「コレステロール値が高い人は、感染症にかかりにくいんです。LDLコレステロールは、体内に入った細菌やウイルスの毒性を中和する性質を持っている。肺炎などの感染症や、バクテリアが引き起こす内臓疾患を予防する役割もあるのです」

「まず男性では、血中の総コレステロール値が160mg/dℓ未満の人たちは、標準値(160~199mg/dℓ)の人たちより死亡率が6割も増えていることがわかりました。さらに、コレステロール値が増えるに従って、総死亡率が低下していたのです。女性の場合、総コレステロール値が160mg/dℓ未満では、標準値の人たちより4割ほど死亡率が増え、それ以上コレステロール値が上がっても死亡率は変化しませんでした」

名市大名誉教授の奥山治美氏が語る。「いままで古い常識が通用してきたのは、『コレステロール値が高いと危険だ』という話で儲ける人たちがいたからです。」

血中コレステロール値を下げるために広く使われている薬が、スタチンというジャンルの高脂血症治療薬だ。スタチンを飲んでいる患者は世界で4000万人以上いて、「世界一売れている薬」という異名を持つ。

NPO法人医薬ビジランスセンター理事長・浜六郎医師は指摘する。「スタチンは、いろんな酵素をブロックしてしまうため、細胞が呼吸するときに必要なミトコンドリアの活動を阻害する。そのため細胞の機能が落ち、免疫が低下してしまう。一時的に効くことはあるが、血中コレステロール値が多少高いからといって、何も考えずに使うのは馬鹿げています」


あまりにもバカバカしい記事ですが、「コレステロール値は高いほど長生きする」という無責任な言葉を信じて早死にする人が出ないように簡単に反論しておきます。

家族性高コレステロール血症のホモ接合体患者は、日本人の100万人に1人の割合で、ヘテロ接合体は500人に1人と考えられています。動脈硬化学会のデータによると、日本人のヘテロ接合体641名の未治療時平均LDL-Cは248mg/dLと報告されています。ホモ接合体の血清総コレステロール値は600~1,200mg/dlであり、FHヘテロ接合体よりはるかに高値をとりますが、これらの数値をみれば、統計的に有意な影響を与えるはずはなく、「家族性高コレステロール血症の人を除くと、コレステロール値と心筋梗塞の死亡率の関係はほぼ完全になくなります」という浜崎氏の説がいかに怪しいものであるかがわかります。

肝臓で作られるコレステロールは、細胞膜の重要な構成成分であるとともに、副腎皮質ホルモンなどの前駆物質して働く重要な物質ですので、重篤な肝疾患(肝硬変、劇症肝炎)や悪性腫瘍などの場合に低下しますので、血中コレステロール値が低すぎるのは良くないのは当然です。実際、総コレステロール値の正常下限は150mg/dL(上限は219mg/dL)と設定されています。この数値をみれば、「血中の総コレステロール値が160mg/dℓ未満の人たち」に問題があるとする浜崎氏の意見も、特に自慢するようなものではないことがわかります。

スタチンはかなり古い薬なので、ジェネリックがあり、プラバスタチンNa錠10mg錠は40円以下ですので、1ヶ月1200円ほどで、3割負担なら360円です。世界一売れているのは、よく効く良い薬だからで、スタチンで製薬会社が不当な利益を得ているわけではないと思います。

血中コレステロール値が食事でほとんど変わらないということは、つい最近わかったことです。食品会社の開発スタッフも低コレステロール食品が身体に良いと信じて製品を開発していたはずなので、それを今攻撃するのは酷だと思います。私も今まで卵を食べるのを控えていましたが、もうやめました。

週刊現代の記者やこの記事で紹介されている医師は、学会の声明や学術論文といっても軽視するのかもしれませんが、日本動脈硬化学会の声明に書かれているように、血中LDL-C高値と狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患については明らかな相関関係が認められていますし、スタチンが心血管リスクを下げることも多くの論文で確認されています。

多くの薬剤の中でもとりわけ優れた治療ベネフィットをもつスタチンについて、一方的に有害性を主張し続ける医療関係者や出版社は、その責任をどのように考えているのでしょう?血中コレステロール値の高い患者さんが、この週刊現代の記事を読んで服薬を止め、その後心筋梗塞や脳梗塞を発病した場合は、訴訟になる可能性があると思います。

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