使えるようになった「新薬」もうすぐ使える「新薬」一覧―冷めた評価をしてみました

使えるようになった「新薬」もうすぐ使える「新薬」一覧――あきらめるな、医学は日々進歩する がん 脳卒中 糖尿病 花粉症 ほか
以下は、記事の抜粋と新薬を紹介するテーブルです。


1年前ならあきらめるしかなかった患者の命が、新薬によって救われている。これまでは考えられなかった効果を持つ薬が、次々と開発されているのだ。知らないと損をする最新情報を、徹底調査した。




以下、記事で説明されている各薬物について順番に説明していきます。

カルムスチン:記事には、「『近い将来、早期のがんであれば、手術をせずに薬だけで治せるようになると思います』虎の門病院臨床腫瘍科部長の高野利実氏はこう話す。カルムスチンのように使い方が新しいだけでなく、新たな成分の開発によって、『よく効く』薬が次々と開発されているからだ。」と、いかにもこの薬だけでグリオーマが治癒するかのように書かれていますが、カルムスチンはそれほど画期的な薬物ではなく、脳内留置用剤という投与法が新しいだけで、痙攣、大発作痙攣、脳浮腫、頭蓋内圧上昇、水頭症、脳ヘルニア、などの重大な副作用もあります(説明をみる)。また、「新たに出ているがんの治療薬は、ほとんどが分子標的薬です。」とも書かれていますが、カルムスチンは分子標的薬ではありません。

シダトレン:記事には、「『これまで花粉症には、症状を抑える薬しかありませんでしたが、今年10月に販売が開始されたシダトレンという薬を使った舌下免疫療法を行えば、根本的に治すことができるようになったのです』(ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック院長・永倉仁史氏) 治療法は非常にシンプル。薬を舌の下に垂らし、2分間口の中に溜めておいたあと、飲み込むだけ。それを1日1回、毎日続ければいい。」と、この薬を使えば花粉症が簡単に根本治療できるように書いてあります。しかし、以下の記事をみると、治療期間が3年間前後かかる、根治率20~40%(すべての人が治るわけではない)など、花粉症が簡単に治る薬ではありません。少なくとも、スギ花粉のエキスを舌の下に垂らす作業を3年間毎日続ける必要があります。
花粉症新薬シダトレンの処方開始日、病院価格と需要。講習会と課題
小児のスギ花粉症についてーシダトレン(アレルギー舌下療法)ー

エドキサバン、リバーロキサバン、アピキサバン:記事には、「これらの新薬は、血液検査も食事制限も必要なく、飲む量は1日1~2回と決まっていて使いやすい。とくにリバーロキサバンやアピキサバンは、脳出血を起こしにくいというデータが出ています。従来の薬の欠点がすべてカバーされているのです」と書かれています。これらはほぼ事実ですが、これらの新薬も血を固まりにくくするため、出血が重大な副作用であることは同じです。ただし、1ヶ月の薬価はワーファリン2mg/dayだと600円程度(3割負担で200円)ですが、エドキサバンの場合低用量で22000円(3割負担で6600円)、高用量になると44000円(3割負担で13200円)です。

イプラグリフロジン:この薬については以下の記事をご覧ください。
SGLT2阻害薬服用、昨年4月の発売から10人死亡
糖尿病新薬(SLGT2阻害薬)で脳梗塞12例、使用注意呼びかけ―なぜこんなに使われるの?
SGLT2阻害薬の適正使用――低血糖の他、脱水(梗塞、アシドーシス)、感染、皮疹に注意
SGLT2阻害薬の作用メカニズム

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