外来遺伝子が残らない遺伝子改変技術にどう対応する?

遺伝子組み換え、痕跡残らない技術 農業生物研が開発
以下は、記事の抜粋です。


農業生物資源研究所は12月26日までに、イネなどの植物に外部から有用な遺伝子を導入する新しい技術を開発したと発表した。遺伝子を組み換えた痕跡が全く残らないのが特徴。新たな品種改良の技術として、小麦や大麦、トマトなどへの幅広い応用が期待できる。

ただ、痕跡が残らないと遺伝子を組み換えた作物かどうか見分けることができなくなるため、実用化には新たな法整備が必要になりそうだ。

研究グループは、ゲノムの中を自由に動く遺伝子を利用し、特定の除草剤に耐性を示す「ALS」という遺伝子をイネの培養細胞に導入した。動く遺伝子には、除草剤耐性を持つALS遺伝子がイネの細胞に入ったかどうか見分ける目印となる遺伝子が含まれている。遺伝子導入後、酵素で動く遺伝子ごと目印を除去した。

従来は目印になる遺伝子が作物に残るため、遺伝子を組み換えたかどうかが分かった。新技術は、目印が完全に取り除かれるため、組み換えをした痕跡が全く残らない。


この記事では、痕跡が残らない遺伝子改変技術を農業生物資源研究所が初めて開発したように書かれていますが、そうではありません。

以下は、今年の4月に北海道大学から出た論文についてのプレスリリースです。

痕跡残らぬ遺伝子改変技術をどのように扱うか:ゲノム編集の規制問題
プレスリリースの説明にあるように、これらの技術は「ゲノム編集」Genome Editing Technologyとよばれています。これまでの「遺伝子組換え」技術では、遺伝子を操作した後に他種の遺伝子がゲノムの中に残り、組換え生物であることの目印になったのですが、ゲノム編集技術の多くは外来遺伝子が残りません。つまり、今の定義では「遺伝子組換え生物」に該当しないことになります。

学会やメディアやグリーンピースなどがどう対応するのか、見守りたいと思います。