シチシンの禁煙効果はニコチン代替療法よりも高い

Cytisine versus Nicotine for Smoking Cessation
以下は、論文要約の抜粋です。


背景:シチシン(cytisine)は、プラセボ対照試験での効果が示されている。本研究では、シチシンが、禁煙の補助薬としての有効性をニコチンと比較した。

方法:ニュージーランドの禁煙の意欲がある毎日喫煙する成人1,310例を対象とした非盲検非劣性試験で、参加者をシチシンを投与する群とニコチン代替療法を行う群に無作為に割り付け。主要評価項目は、1ヵ月の時点での自己申告による禁煙継続。

結果:1ヵ月の時点で禁煙の継続を報告した参加者は、シチシン群40%(655例中 264例)、ニコチン群31%(655 例中 203 例)であった。1週、2ヵ月、6ヵ月時点での禁煙継続効果もシチシンの方がニコチンよりも優れていた。有害事象の発現頻度は、シチシン群の方が高かった。

結論:シチシンは簡単な行動支援と併用した場合、ニコチン代替療法よりも効果は高いが、悪心・嘔吐などの有害事象の頻度も高い。


以前にも紹介しましたが、シチシンはマメ科のキングサリ(別名:キバナフジ)などに含まれるアルカロイドで、ニコチン受容体部分的作用薬です。キングサリを口にすると、嘔吐、発汗、血管収縮、血圧上昇、知覚障害、呼吸不全等を起ことされており、これらはシチシンの作用によると考えられています。

シチシンを含有したTabexという薬剤は、東ヨーロッパの一部の国では40年以上にわたって禁煙補助薬として承認され、使用されてきたそうです。無作為化プラセボ対照試験でも有効性が示されています(関連記事)。

禁煙薬バレニクリン(チャンティックス®)は、このシチシンの構造を元にして、ニコチン受容体部分的作用薬として開発された作られたものだそうです。バニレクリンの報告されている禁煙率は50%以下ですので、シチシンとあまり変わらないかもしれません。シチシンの価格はバニレクリンの5分の1ぐらいだそうです。

キングサリ(金鎖)の花

関連記事
禁煙に対するシチシンのプラセボ対照試験

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする