アレクチニブ(アレセンサ®):2番目のALK阻害肺癌治療薬

アレクチニブ アレセンサ:2番目のALK阻害肺癌治療薬
以下は、記事の抜粋です。


2014年9月5日、抗悪性腫瘍薬アレクチニブ塩酸塩(アレセンサ®)が発売された。ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の患者に、1回300mgを1日2回経口投与する。

2007年、日本人研究者により、非小細胞肺癌(NSCLC)患者の検体からEML4(微小管会合蛋白)-ALK(Anaplastic Lymphoma Kinase、未分化リンパ腫キナーゼ)融合遺伝子が発見された。この融合遺伝子から産生されるEML4-ALK融合蛋白は、内在するチロシンキナーゼが恒常的に活性化することにより、強力な癌化能を有する。NSCLC患者のうち3~5%程度がALK融合遺伝子陽性だと推定されている。

アレクチニブは、日本で創薬されたチロシンキナーゼ阻害薬であり、ALKとその発癌性変異体のチロシンキナーゼ活性を阻害する。2012年5月より臨床使用されているクリゾチニブ(ザーコリ®)に次ぐ、2番目のALK阻害薬である。2013年9月に希少疾病用医薬品に指定された。

ALK融合遺伝子陽性の進行・再発NSCLC患者を対象とした国内第1/2相試験の第2相部分において、奏功率が93.5%(完全奏功率19.6%)、無増悪生存期間が中央値27.7カ月であり、2年生存割合は79%と報告されている。

主な副作用は、血中ビリルビン増加(36.2%)、味覚異常・発疹(各34.5%)、AST上昇(32.8%)、血中クレアチニン増加(31.0%)などである。重大な副作用は、間質性肺疾患、肝機能障害、好中球減少、白血球減少、消化管穿孔、血栓塞栓症が報告されている。


最初のALK阻害薬クリゾチニブの奏効率が6割であるのに対して、9割以上の奏効率を示したこと(第2相試験で)、かつクリゾチニブ不応(耐性)のALK 融合遺伝子陽性NSCLCにも効果がある、ということで承認されたようです。化学構造もクリゾチニブとはかなり構造が異なります。そのためか、キナーゼ阻害剤に対する共通耐性機構のひとつとして知られるゲートキーパー残基での点変異に対しても有効だそうで、かなり期待できるALK阻害薬だと思います。

「ゲートキーパー耐性変異に対しても有効な選択的ALK阻害剤」という発見者による総説がありますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください(総説をみる

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