セリチニブ(Ceritinib)―新しいALK阻害薬の非小細胞肺癌患者に対する第1相臨床試験

Ceritinib in ALK-Rearranged Non–Small-Cell Lung Cancer
以下は、論文要約の抜粋です。


背景:ALK再構成を有する非小細胞肺癌(NSCLC)は、ALK阻害薬クリゾチニブ(crizotinib)に感受性を示すが、例外なく耐性が生じる。セリチニブ(ceritinib、LDK378)は新しいALK阻害薬で、前臨床試験でクリゾチニブよりも強い抗腫瘍効果を示した。

方法及び結果:ALKに遺伝子変異を有する進行癌患者に、50~750mgのセリチニブを1日1回経口投与した。用量制限毒性イベントは、下痢、嘔吐、脱水などだった。セリチニブを 400mg/day以上投与されたNSCLC患者114例の全奏効率は58%だった。クリゾチニブ投与歴のある80例の奏効率は56%だった。ALKにさまざまな耐性変異のある患者や検出可能な変異のない患者においても奏効が認められた。400mg/day以上投与されたNSCLC 患者の無増悪生存期間中央値は7.0ヶ月だった。


ノバルティスの新しいALK(未分化リンパ腫キナーゼ)阻害薬セリチニブが非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした第1相臨床試験で、患者の過半数の腫瘍を縮小させたという話です。ALKの耐性変異の有無にかかわらず効果があったところがすごいと思います。

ALKはNSCLCがん患者の約5%(米国では年間約1万人)で変異があると言われています。この薬自体は、第1相なのでまだまだ何とも言えませんが、固形癌でも効果のある分子標的薬が徐々に出てきそうな雰囲気です。

自治医大の間野教授が、一部の肺がんでEML4とALKが染色体の転座によって融合した遺伝子があることを発見して論文発表したのは2007年です(論文をみる)。病因の発見から治療薬の開発までのスピードが非常に速い例だと思います。

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