インフル新薬「アビガン®」(一般名:ファビピラビル)は承認されたけれど、、、

新型インフルエンザ用の新薬:「アビガン錠」厚労省が承認
以下は、記事の抜粋です。


厚労省は3月24日、新型インフルエンザが既存の薬に対する耐性を持ち、効かなかった場合の対策として、富山化学が開発した抗ウイルス薬「アビガン錠」の製造・販売を承認した。強い副作用があるため、厚労省の要請を受けてから供給される。

既存のタミフルやリレンザなどの薬はウイルスが細胞から細胞に移るのを妨げて増殖を防ぐが、アビガン錠は細胞内で増えること自体を阻害して増殖を防ぐ。

ただ、妊娠中の女性が服用すれば胎児に重篤な副作用が出る危険性があるため、同省は流通制限など安全対策に加え、さらなる有効性を確認するための治験を実施することを条件に承認した。


アビガン®の一般名はファビピラビル(Favipiravir)で、開発名はT-705です。ファビピラビルは、タミフルなどとは異なり、ノイラミニダーゼ阻害薬ではなく、RNAポリメラーゼ阻害薬です。また、富士フイルムHD傘下の富山化学工業が開発したインフル新薬の中では唯一の「国産」薬です。

2009年、強毒性のH5N1型鳥インフルエンザにも有効であることを、東大医科研の河岡義裕教授らのグループが動物実験で初めて明らかにしたことを受けて、富士フィルムの株価が高騰したこともありました(記事をみる)。

しかし、条件付き承認で普及に足かせ富山化学インフル薬の“無念”に書かれているように、ヒトで行う臨床試験前に実施した動物による安全性試験で胎児に奇形が生じる可能性が認められたため、「パンデミック」と呼ばれる新型インフルエンザなどの大流行に備えるためのクスリであり、通常の季節性インフルエンザの治療には使わないということになってしまいました。

臨床試験もまだ終わっていないことを考えると、当局の判断は妥当だと思われます。ノロウイルスや他のウイルスにも有効だという報告があるので、この薬物の特異性は低く、副作用も出やすいと考えられます。ブロックバスターにはならないでしょう。

関連記事
インフル新薬と株価、西暦から平成への変換
インフルエンザ新薬について