がん患者の終末ケアと死亡場所に与える化学療法の影響について

Associations between palliative chemotherapy and adult cancer patients’ end of life care and place of death: prospective cohort study
以下は、論文要約の抜粋です。


目的:終末期がん患者に対する死亡直前数ヶ月前の化学療法と、その後受ける集中治療や死を迎える場所との関連を調べる。

方法:進行がん患者を対象にした多施設における前向き縦断研究の二次解析。1つ以上の化学療法に抵抗性であった転移性のがんで、主治医が登録時に終末期と判断し、後に死亡した成人患者386名を対象。プライマリアウトアムは、死亡前1週間の集中治療(心肺蘇生and/or人工呼吸管理)の有無と死を迎えた場所(ICU、自宅など)。

結果:化学療法の実施は死亡前1週間の集中治療(14% vs. 2%)に有意に関連していた。さらに、化学療法群は、ICUで死亡する頻度が高く(11% vs. 2%)、自宅で死亡する頻度が低かった(47% vs. 66%)。


この論文を紹介した「呼吸器内科医」氏はそのブログで、「終末期に抗癌剤を投与するメリットはあるのか?」というタイトルで、「とかく固形癌に関しては、医療従事者が感じている治療効果と患者さんが期待する治療効果にかなりのギャップがあるように感じています。当初、患者さんが期待しているのは癌の「治癒」であり、医療従事者がとなりで現実的な話を交えながら診ていく必要があります。いつまでも「抗癌剤」という言葉によって患者さんに漫然たる希望を与え続けることに対しては、私は疑問を感じます。」というコメントを書かれています。

私の友人は、「咳に血が混じる」という理由で受診した病院で、進行した肺がんを発見され、緊急手術を勧められ、約1週間後には右肺を全摘されました。手術前には2時間のドラムス演奏ができたのに、手術後には歩くのもやっとの状態になりました。終末期がん患者については、化学療法だけではなく、手術治療にもこのような評価が必要だと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする