超高齢(80歳以上)の2型糖尿病患者、メトホルミン投与は安全で血糖コントロールも良好

80歳以上の2型糖尿病患者、メトホルミン投与は安全で血糖コントロールも良好
以下は、記事の抜粋です。


80歳以上の2型糖尿病患者に対するメトホルミン投与は、安全であり、血糖コントロールも60~70歳の患者に比べてより良好であることが示された。これは、ポーランドMedical University of LodzのL. Czupryniak氏らが行ったケースコントロール試験の成果で、バルセロナで開催されていた欧州糖尿病学会で発表した。

ガイドラインでは、超高齢者への2型糖尿病治療薬の投与については、具体的な記述はなく、メトホルミン投与についても議論が分かれているのが現状だという。

Czupryniak氏らは、年齢が80~90歳の2型糖尿病患者158人を無作為に抽出し、その対照群として性別と体格指数をマッチングした60~70歳の2型糖尿病患者112人を選び、後ろ向きに3年間追跡した。被験者の平均年齢は、高齢群が83.2歳、対照群が64.8歳だった。糖尿病歴はそれぞれ、平均11.8年と8.2年だった。メトホルミンの服用率は、それぞれ62%と82%だった。

結果、平均HbA1c値は、対照群の7.8%に対し、高齢群は7.1%と有意に低かった(P<0.05)。症候性低血糖の平均発症率もまた、対照群が45%に対し、高齢群は21%と半分以下だった。一方、平均血清クレアチニン値については、対照群が1.02mg/dLに対し高齢群が1.19mg/dLとやや高値だった(P<0.05)。

その他、平均コレステロール値もまた、総コレステロール値は対照群が215mg/dLに対し高齢群が185mg/dL、HDLコレステロール値は41mg/dLと50mg/dL、LDLコレステロール値は132mg/dLと108mg/dL、トリグリセリド値は186mg/dLと146mg/dLと、いずれも高齢群が有意に良好だった(すべてP<0.05)。

この結果についてCzupryniak氏は、「超高齢患者に対しても、メトホミンが安全だとは予想していたものの、より若い高齢患者に比べてアウトカムがここまで良好だとは思っていなかった」と話した。また、メトホルミンが高齢患者にとって安全に投与できる点については、「臨床ガイドラインに盛り込むべきだ」と強調した。


糖尿病リソースガイドでは、加藤光敏氏が「糖尿病治療薬の特徴と服薬指導のポイント」の中で、「『当院でビグアナイド薬を適応外としている患者』として、いくら安全性の高い薬とはいえ、全身酸素欠乏状態に容易になりうる患者にはビグアナイド薬を使用すべきでないのは当然です。実際、日本で高用量認可後に報告された乳酸アシドーシス例は、超高齢者であり、注意が必要な症例でした。当院での適応外としているのは、1型糖尿病患者、肝障害・腎不全患者などに加えて、高齢者(当院は80歳になったら全例中止!)」と書かれています。

また、メトグルコ®錠250mgの「警告」欄にも、「腎機能障害又は肝機能障害のある患者、高齢者に投与する場合には、定期的に腎機能や肝機能を確認するなど慎重に投与すること。特に75歳以上の高齢者では、本剤投与の適否を慎重に判断すること。」と書かれています(警告をみる)。

同じメトホルミン製剤であるメルビン®、グリコラン®も高齢者に禁忌であることを考えると、上の記事は驚くべき内容です。まだ査読者のある論文に掲載されたのではなく、学会発表されただけですので割り引いて読む必要はありますが、今後の糖尿病治療に大きな影響があるかもしれないので紹介しました。