経口の関節リウマチ治療薬ゼルヤンツ®(トファシチニブ、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬)が日本発売

経口の関節リウマチ治療薬ゼルヤンツが発売
以下は、記事の抜粋です。


投与時間依存的に出現する重篤な感染症に注意

ファイザーと武田薬品工業は、7月30日、経口の関節リウマチ(RA)治療薬のゼルヤンツ錠5mg(一般名トファシチニブクエン酸塩)を発売した。

同薬は、細胞内に存在するチロシンキナーゼの一種、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害してRAの炎症を抑制する新機序のRA治療薬。これまでRAに使用されてきた生物学的製剤がいずれも注射製剤であるのに対し、本薬は、経口の分子標的薬であることが大きな特徴だ。

メトトレキサートをはじめとする少なくとも1剤の抗リウマチ薬(DMARD)などで治療を行っても明らかな症状が残る場合に、通常、1回5mgを1日2回経口投与する。

同薬をめぐっては、投与により重篤な感染症を引き起こしたり、悪性腫瘍の発現率が上昇する恐れがあるとして、日本リウマチ学会が、厚生労働省と製造販売元のファイザーに対し、承認審査における適応や用量の設定、非リウマチ専門医への薬の納入などについて、慎重な対応を求める要望書を提出。その結果、添付文書の「警告」欄で、結核や肺炎、肺血症、ウイルス感染などの感染症への注意喚起がなされることになったほか、全例調査が実施されることになったという経緯がある。

重篤な有害事象の中でも注目を集めているのは、感染症であり、細菌感染症が最多。重症感染症の発現率は10mg投与群では時間依存的に増加する。結核や帯状疱疹、悪性腫瘍の発現率が上昇するとの報告もある。


上記以外にも有害事象として、重篤感染症のリスクがトファシチニブ用量依存的にも認められることと、悪性腫瘍発現率についても用量依存的かつ投与期間依存的に増加する傾向が認められることが指摘されています。

このようなネガティブな状況ではありますが、他の薬物に抵抗性の重症RA患者に対して、RA治療薬としての効果が確立されているヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤アダリムマブ(ヒュミラ®)と同程度の効果を示したという報告もあります。この最初のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬が、リスクだけではなく大いなるベネフィットをもたらしてくれることを強く願っています。

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