受容体からのシグナル伝達は細胞膜だけではなく、エンドソームからも生じる

Conformational biosensors reveal GPCR signalling from endosomes

以下は、論文要約の抜粋です。


薬理学では、Gタンパク質と共役したβ受容体などによる古典的なシグナル伝達は、細胞膜だけで起こると考えられてきた。しかし、このような説はそれほど強い証拠に基づいたものではなかった。一方、細胞内にエンドサイトーシスによって取り込まれた受容体にも活性があるとする説も強い証拠があったわけでもなかった。

今回我々は、β2アドレナリン受容体とそれに共役するGタンパク質であるGsの活性化を、生きている哺乳類細胞内で直接調べた。

アゴニストのイソプレナリン(イソプロテレノール)は、受容体とGタンパク質の細胞膜での活性化を促進しただけではなく、これらの活性化は初期エンドソーム膜でも起こることがわかった。さらに、細胞内に取り込まれた受容体も、アゴニスト投与の数分後には細胞全体のcAMP応答に関与した。

今回の結果は、古典的なGタンパク質と共役したシグナル伝達が細胞膜だけではなく、エンドソームからも生じるという仮説を直接裏付ける証拠である。


私はこれまで、β受容体のエンドサイトーシスはダウンレギュレーション、つまり受容体をリソゾームで分解して受容体の数を減少させるためのメカニズムだと理解していました。本論文でこの可能性が否定されたわけではありませんが、活性化された受容体のエンドサイトーシスが、細胞全体にシグナルが広がるために重要だということが明らかになった意義は大きいと思います。

最近、リソゾーム(酵母の場合は液胞)もTORに関連するシグナル伝達で重要であることを知りました。本論文もそうですが、細胞内輸送とシグナル伝達という2つの世界が重なりつつあるようなニュースが増えているような気がします。

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