英開業医のほぼ全員「気休めの薬」処方経験あり

英開業医のほぼ全員「気休めの薬」処方経験あり
以下は、記事の抜粋です。


英国の一般開業医の約97%が患者に「気休めの薬」を出しており、しかも75%が「少なくとも週1回」はそうした処方を行っていることが調査結果で明らかになった。

オックスフォード大学などの合同チームが行ったインターネット調査によると、医師の大多数が偽薬や有効性の証明されていない治療法を用いたことがあると回答した。

これには、有効成分を少量に抑えた薬や、問題となっている症状に対する有効性が証明されていないサプリメント、ウイルス感染が疑われる場合にもかかわらず抗生物質を処方することなどが挙げられている。医師の約12%は、砂糖を固めた錠剤など有効成分がまったく入っていない「正真正銘の偽薬」を使ってさえいた。

さらに必要がないのに健康診断や血液検査を行うなど不謹慎とされる措置も「場合によっては許される」と84%の医師が答えた。

そうした「気休め」の薬や措置の理由としては、患者から治療を強くせがまれた場合や患者を安心させるために「心理的な治療効果を与えるため」だと回答した。

臨床での偽薬の使用は英医事委員会(General Medical Council、GMC)の倫理指針や英国医師会(British Medical Association、BMA)の方針にも反している。

しかし、論文の著者であるJeremy Howick氏はこの調査結果について、「医師が患者をだましていることには当たらない。英国で広く偽薬が使われていることが示されたが、医師たちはそれが患者の助けになると考えてやっている」と述べている。さらに「気休め」の措置を医師らが広く支持しているという証拠が示されたことから、倫理指針を見直すべきだとも述べた。


元論文のタイトルは、”Placebo Use in the United Kingdom: Results from a National Survey of Primary Care Practitioners”です(論文をみる)。

この論文でのplacebo(偽薬)とは、乳糖などの純然たるものだけを示すのではなく、記事にも書かれているように、上気道感染に対する抗生物質の使用や鎮痛薬の代わりに生理食塩水を静脈注射するようなものも含んでいます。著者らはこれらのものを‘Impure’ placeboとよんでいます。

日本でも、明らかに細菌感染を伴っていない風邪と思われる症状の患者に対して抗生物質を処方したり、インフルエンザ迅速検査で陰性でもタミフルを投与したりする医師がいると思われますが、彼らが「気休め(‘Impure’ placebo)」と考えているのか、「やはり有効」だと考えているのかは意見が分かれるところだと思います。

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