利尿薬+RA系阻害薬にNSAIDsを追加すると、急性腎障害リスクが上昇

利尿薬+RA系阻害薬にNSAIDsを追加すると、急性腎障害リスクが上昇: カナダでの大規模コホート研究の結果

以下は、記事の抜粋です。


降圧薬を使用している患者に、一定期間、NSAIDsが追加投与されることは少なくない。Francesco Lapi氏らが行った大規模コホート研究で、利尿薬とレニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬(ACE阻害薬またはARB)を併用している患者にNSAIDsを投与すると、特に当初30日以内は、急性腎障害による入院リスクが有意に上昇することが明らかになった。

急性腎障害を引き起こす可能性のある薬剤は複数報告されているが、薬剤間相互作用が急性腎障害リスクに及ぼす影響についてはほとんど知られていなかった。著者らは、高血圧治療を受ける患者の多くが慢性の炎症性疾患や慢性痛を抱えているため、NSAIDsが処方される可能性も高いことに注目した。

英国の48万7372人からなるコホートを対象に、ネステッドケースコントロール分析を実施。著者らが分析したのは、利尿薬、ACE阻害薬、ARBのうちの1剤とNSAIDsを同時期に併用(2剤併用)したグループと、利尿薬+ACE阻害薬またはARBの2剤とNSAIDsを同時期に使用(3剤併用)したグループだ。

主要転帰評価指標は、2剤または3剤の現在使用者の急性腎障害による入院に設定。追跡期間の平均は5.9年で、304万7813人-年の追跡を行った。2215人(平均年齢76.9歳)が急性腎障害を経験していた。

2215人のケースに対し、コントロールを2万1993人選出した。ケースとコントロールのうち、利尿薬のみの現在使用者を参照群とし、利尿薬+NSAIDs現在使用者の急性腎障害による入院の調整率比を求めたところ、1.02(0.81-1.28)だった。ACE阻害薬またはARBの現在使用者を参照群とし、それらとNSAIDsを併用した場合の調整率比も、0.89(0.69-1.15)で有意差がなかった。

次に、利尿薬+ACE阻害薬またはARBの現在使用者を参照群とし、それらに加えてNSAIDsを使用していた患者の調整率比を求めたところ、1.31(1.12-1.53)と有意なリスク上昇が見られた。2次解析として、NSAIDsの使用開始から30日以内、31~60日、61~90日、90日超の急性腎障害による入院のリスクを調べたところ、30日以内が最も高いことが示された。

「降圧薬は心血管系に利益をもたらすが、利尿薬とACE阻害薬またはARBを使用している患者に対するNSAIDsの投与には注意が必要だ」と著者らは述べている。


関連記事に紹介したように、ロサルタン・ヒドロクロロチアジド配合剤(プレミネント®)、バルサルタン・ヒドロクロロチアジド配合剤(コディオ®)、テルミサルタン・ヒドロクロロチアジド配合剤(ミコンビ®)、カンデサルタン・ヒドロクロロチアジド配合剤(エカード®)などのような配合錠が次々と発売されたため、「利尿薬+ACE阻害薬またはARBの現在使用者」は非常に多いと思われます。

メカニズムについては不明ですが、この論文での指摘が事実だとすると、このような薬物の組み合わせで高血圧の治療されている患者に対してNSAIDsを投与する場合は、少量から始める、大量投与は避けるなどの注意をすべきだと思います。

関連記事
「ARB+Ca拮抗薬」 or 「ARB+利尿薬」? なぜ配合剤が流行るのか?
続々登場するARBと利尿薬の配合錠、成分量の違いに注意

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. dazu-o より:

    SECRET: 0
    PASS:
    こんにちは! DAZU-Oって名前でラップしてます♪また来ます♪次回の更新待ってますね!