ベンゾジアゼピン系薬の新規使用は、認知症リスクを増加させる。

Benzodiazepine use and risk of dementia: prospective population based study(ベンゾジアゼピンの使用と認知症リスク:地域住民をベースにした前向き研究)
以下は、論文要約の抜粋です。


目的・方法など:フランスで行われた認知症の疫学調査・PAQUID研究から認知症でない1063人(平均年齢78.2歳)を対象に、ベンゾジアゼピン系薬物と認知症の関連を調べた。

結果:15年の追跡で、 253例の認知症の発症が確認された。ベンゾジアゼピン系薬物の新規使用と認知症リスクの増加が関連した(ハザード比1.60)。ベンゾジアゼピン計薬物の使用は抑うつ症状とも同様の関連を示した。また、新規使用者コホートのプール解析による認知症発症ハザード比は1.46だった。

結論:ベンゾジアゼピン系薬物の新規使用は、認知症リスクを増加させる。ベンゾジアゾピン系薬物は、幅広く数多くの患者に処方されており、潜在的な有害(副)作用も多いので、無原則な使用は警告されるべきである。


ベンゾジアゼピン(BZ)系薬物は古くから使用されている薬物で、不安状態や不眠症の治療薬として有用だとされています。しかし、高齢者に使用した場合は、転倒や転倒による骨折などの重要な有害作用を引きおこし易いことが知られています。

今回の論文は、これまでも指摘されていたBZ系薬物が認知症リスクも増加させるということの証拠をまた1つ追加するものです。

BZは世界中で広く使われており、論文には、フランスの65歳以上人口の30%、カナダとスペインでは20%、オーストラリアでは15%以上の人々に対してBZが処方されていると書かれています。しかも、ガイドラインは数週間の使用に留めるよう勧めているにもかかわらず、長期間にわたって処方されることが多いとも書かれています。日本の状況もそれほど変わらないと思います。

関連記事に書いたように、BZ系薬物には、α1サブユニットをもつGABA-A受容体に高い親和性を示す睡眠作用の強いものと、α2、α3またはα5サブユニットをもつGABA-A受容体に高い親和性を示す抗不安作用や筋弛緩作用の強いものがあります。認知症リスクはどちらのグループと関連しているのでしょうか?

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