EUの健康食品に対する強調表示(nutrition and health claims)規制

EUでは、食品についてのClaim(強調表示、クレーム)を”Nutrition claim(栄養クレーム)”と”Health claim(ヘルスクレーム)”に分けて規制しています。栄養クレームは、その食品が「低脂肪である」とか「線維を多く含む」など、食品の栄養的な利点を述べるものです。一方、ヘルスクレームは、当該食品を摂取することによる健康的なベネフィットについてのもので、例えばその食品が「体の免疫力を高める」とか「学習能力を高める」とか「体重を減らす」などと表示することです。

ヘルスクレームをするには科学的根拠を示した上で、EUの食品管理機構であるEuropean Food Safety Authority(EFSA)に申請して認可される必要があります。

本年5月25日にEFSAから公布された結果によると、申請4,637件中、ヘルスクレームが認められなかったのは1,600件で、この1,600件については、今年12月14日以降は当該ヘルスクレームを付して販売することがEU各国で禁止されます。

今回認められたほとんどは、ビタミンとミネラルです。例えば、ビタミンB群に属するビオチンの場合、①正常なエネルギーを生み出す②正常に神経系に機能する③正常な代謝④心を正常に保つ⑤髪の毛の維持などの表示が許可されています。

その他、メラトニン(時差ぼけ症状の緩和、睡眠に入るまでの時間の短縮)、紅麹エキス(血中コレステロールの正常化)、オリーブ油ポリフェノール(酸化ストレスからの血中脂質保護)、コリン(ホモシステイン代謝の正常化、脂質代謝の正常化、肝機能の維持)、ベタイン(ホモシステイン代謝の正常化)などが許可されています。またミネラル成分のひとつ、亜鉛には幅広く18件のヘルスクレームが認められています。

一方、ビタミン、ミネラル以外の機能性成分(植物を除く)のヘルスクレームの95%が却下されました。却下された成分は、抗酸化物質で170成分、プロバイオティクスで262種類が菌および酵母の特定が不十分、53件が科学的根拠不十分あるいは非特異的なクレームであったなどを理由に却下されました。ベルギーの乳酸菌・ビフィズス菌メーカーの方も、12月14日からヘルスクレームが禁止され、ビジネスの危機だと嘆いていました。微生物関連製品は「成分明示」が難しいようです。

なお、今回発表されたのは一般的なクレームで、疾病リスク低減クレームや、子供の成長・発達に関するヘルスクレーム関連については今年の年末に公表される予定です。日本では「個人の感想です」ということでメチャクチャなヘルスクレームが溢れています。EUでも過去に同様の状況があり、消費者を守るために規制に動いたということですので、日本の状況も変わるかもしれません。

下はEFSAの動画です。”Is the food or ingredient defined?”, “Is the claimed effect defined?”, “What is the evidence?”の3点がフランス語なまり?の英語で説明されています。これで一連のベルギー関連の記事は終わりです。

参考記事
Nutrition and health claims
FS’eye「EUが健康強調表示を公布」

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