一部の自閉症患者では、分枝鎖アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン)の投与で症状改善の可能性

サプリメントで自閉症の一部症状、改善の可能性 米研究

以下は、記事の抜粋です。


自閉症の症状のうちアミノ酸不足との関係が判明しているまれな症状が、ごく一般的なサプリメントによって改善される可能性が、9月6日のScience誌に掲載された論文で明らかになった。

研究チームは、一部の自閉症患者にみられる、特定のアミノ酸の代謝を促進する遺伝子変異を突き止めた。こうした必須アミノ酸(分岐鎖アミノ酸、BCAA)はヒトの体内で作り出すことができないため、食品から摂取する必要がある。

今回特定された遺伝子変異のある患者では、代謝が促進されるために通常よりも早く体内のアミノ酸が消費されてしまい、このことが自閉症の神経行動学的症状と関係した(アミノ酸の)不均衡を生んでいるのではないかと研究者らは指摘している。

研究チームは、てんかん性発作がみられる自閉症の子どもたち数人の遺伝子情報を調べた後にこの遺伝子変異を特定した。次に、てんかん性発作など自閉症的な症状を示すように遺伝子を操作したマウスに、健康食品店で入手できるサプリメントを与えたところ、マウスの症状に改善がみられたという。


元論文のタイトルは、”Mutations in BCKD-kinase Lead to a Potentially Treatable Form of Autism with Epilepsy”です(論文をみる)。

調べたのは血縁者に自閉症、てんかん、知的障害の3つを併発した患者が多発するトルコとエジプトの数家系です。同じ両親を持つ患者と正常者のエクソン全体の配列を決定し比較しました。その結果、BCKDK (Branched Chain Ketoacid Dehydrogenase Kinase)をコードする遺伝子に不活性化変異が同定されました。

BCKDKは、BCKDH (branched chain ketoacid dehydrogenase、α-ケト酸脱水素酵素)複合体のE1-αサブユニットをリン酸化によって不活性化する役割があります。

BCKDK遺伝子変異をホモで持つ患者は、BCKDKタンパク質とmRNA、E1-αサブユニットリン酸化、血中の分岐鎖アミノ酸のすべてが減少していたそうです。

分枝鎖アミノ酸とは、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、バリン(Val)の3つで、これらの代謝経路にあるBCKDH複合体の活性の低下によりα-ケト酸が蓄積し、メープルシロップ尿症という常染色体劣性遺伝疾患がおこることが知られています。論文の家系では、これとは逆にBCKDH複合体の活性の異常な上昇あるいは制御不全がおこっているようです。

自閉症の原因は一つではなく、多くの異なる原因でおこる症候群です。その中のごく一部にBCKDK遺伝子の異常があり、その場合には、患者の症状がロイシン、イソロイシン、バリンの投与で改善する可能性があるという話です。

AFPの記事のタイトルは、読点の位置がおかしいと思います。そのまま読むと、多くの自閉症患者の症状の一部が改善されるようにも読めますが、そうではありません。「サプリメントで自閉症の一部、症状改善の可能性」ではないでしょうか?

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コメント

  1. あ* より:

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    PASS:
    Yahooの記事は削除されていました。
    http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2899896/9490958
    で今も読めます。

  2. tak より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >あ*さん
    ご指摘ありがとうございます。リンクを変更しました。