ヒトゲノムの80%に機能あり―ジャンクではなかった

ゲノムの80%に機能あり 国際チームが解明

以下は、記事の抜粋です。


理化学研究所(理研)が参加する国際研究プロジェクト「エンコード計画」は9月5日、人間のゲノムの少なくとも80%が何らかの機能を持つことが分かったと発表した。ゲノムの大半を占める未解明部分が、遺伝子の働きを制御していることを示した。

147種類の細胞のゲノム解析を通じ、タンパク質をつくる遺伝子を働かせるスイッチの役割をどの部分が果たしているのか、役割は細胞の種類によってどう違うのかなどを明らかにした。スイッチに起きる異変を調べ、病気の成り立ちを明らかにするといった研究が進むと期待される。


元論文のタイトルは、”An integrated encyclopedia of DNA elements in the human genome”です(論文をみる)。

ゲノム解析が始まった当時の研究者の印象は、「高等生物のゲノムの大半は、いわゆるジャンク(がらくた)配列である」というものでしたが、最近はこの考え方が急速に変わり始めています。例えば、マウスゲノム(26億、ヒトゲノムは約30億塩基対)の約5%の領域しかタンパク質をコードしていませんが、ゲノムの70%以上がRNAに転写され、他の遺伝子の発現制御に深くかかわっていると考えられています。

この論文に書かれている”Encyclopedia of DNA Elements;ENCODE”(「DNAエレメントの百科事典」)計画では、非コード領域の機能を明らかにするために、システマチックな解析が行われ、転写、転写調節因子の結合、クロマチン構造およびヒストン修飾の領域がヒトゲノム上で同定されました。

その結果、ヒトゲノムの80%には少なくとも1つの生化学的機能が割り当てられることが明らかになりました。具体的には、ゲノムの大半は遺伝子や遺伝子群を制御するための多彩で精巧なスイッチで占められていることがわかりました。新しく同定されたこれらの機能的DNA配列は、全ゲノムレベルでの遺伝子発現制御やその異常でおこる病気の解明に役立つとされています。

私達の研究室では、ヒトの約1/200のサイズのモデル生物を研究しています。200倍以上簡単なはずですが、なかなか手ごわくて日夜楽しませてくれます。

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