活動性潰瘍性大腸炎における経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬トファシチニブの効果

Tofacitinib, an Oral Janus Kinase Inhibitor, in Active Ulcerative Colitis
以下は、論文要約の抜粋です。


背景:潰瘍性大腸炎は、結腸の慢性炎症性疾患で、現行の治療法は全例に有効なわけではない。ヤヌスキナーゼ JAK1,3 の経口阻害薬のトファシチニブ(tofacitinib)は、リンパ球の活性化、機能、増殖に必須であるインターロイキン 2,4,7,9,15,21 などのサイトカインによるシグナル伝達を阻害し、潰瘍性大腸炎の治療薬になる可能性がある。

方法:二重盲検プラセボ対照第2相試験において、中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎の患者194例を対象に、トファシチニブの有効性を評価した。患者をトファシチニブ0.5mg、3mg、10mg、15mg、またはプラセボの1日2回8週間投与に割り付けた。主要転帰は、8週の時点でのMayoスコアシステムにより評価した臨床反応とした。

結果:8週の時点での臨床反応が認められたのは、トファシチニブ0.5mg群、3mg群、10mg群、15mg群で。それぞれ32%、48%、61%、78%であったのに対し、プラセボ群では42%であった。

結論:トファシチニブによって治療された活動性潰瘍性大腸炎患者は、プラセボを投与された患者よりも臨床反応と寛解が認められる傾向があった。


現在、潰瘍性大腸炎にはメサラジン、ステロイド、アザチオプリン、抗TNFα製剤(インフリキシマブ(レミケード®)、アダリムマブ(ヒュミラ®))などが使用されていますが、上記のように全例に有効なわけではなく、新薬の登場が望まれています。

関連記事で紹介したように、サイトカインや成長因子によって活性化されるヤヌスキナーゼ(JAK)は、STATファミリーの転写因子をリン酸化し、リンパ球の分化、免疫制御、炎症などにおいて重要な役割を果たしています。トファシチニブ(tofacitinib)は4つのJAKファミリーの中、JAK1とJAK3を比較的特異的に阻害します。

最近トファシチニブが関節リウマチや乾癬に有効であることが明らかになってきているので、潰瘍性大腸炎にも使ってみたようです。まだ第2相ですのでわかりませんが、長期にわたって病気のコントロールが可能になることを願っています。

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