Ca拮抗薬の降圧作用を強めるためグレープフルーツ果汁を飲用して良いか?

降圧作用を強めるためグレープフルーツ果汁を飲用

以下は、記事の抜粋です。


1.処方の具体的内容は?

高血圧の60歳男性。
カルスロット錠20 1錠
エースコール錠4mg 1錠
1日1回 朝食後 14日分

3.どのような過程で起こりましたか?

患者は、これまでカルスロット(マニジピン)を服用してきたが、十分な降圧効果が得られていなかった。そこでエースコール(テモカプリル)が追加処方された。患者は、テレビの健康番組でCa拮抗薬とグレープフルーツジュースを併用すると、降圧作用が増強することを知った。医師から自分が飲んでいるマニジピンはCa拮抗薬だと聞いていて、グレープフルーツジュースと一緒に飲めば、自分の血圧がもっと下がるのではないかと考えたという。

最悪の事態として、「急激な血圧低下から転倒し、骨折して入院。」と書かれています。本当にこのような事態が起こったかどうかはわかりません。

5.なぜ起こったのでしょうか?

臨床試験結果によれば、マニジピン40mgをグレープフルーツジュース1杯と同時に服用した場合、水で服用した場合に比較して、マニジピンのAUCは2.4~3.4倍、Cmaxは2.3~3.0倍まで増大したと報告されている。この相互作用の程度は、ほかのCa拮抗薬と比較した場合、高い部類に入る。

7. リスク回避のための服薬指導例

グレープフルーツジュースの種類やそこに含まれる成分、個人差により増強効果の程度はまちまちであり、全く予想できません。ですので、グレープフルーツジュースで薬の効き方をコントロールしようとすることは極めて危険です。


要するに、グレープフルーツに含まれるCYP3A4阻害物質は、果物の種類によって含有量が異なるので、安定した増強効果が期待できず、危険だということです。

グレープフルーツに含まれるCYP3A4阻害物質は、フラノクマリン類とよばれるもので、ポメロ(ぶんたん)には含まれていますが、日本のみかんやカリフォルニア・オレンジには含まれていません。また、同じグレープフルーツでもホワイト種の方がルビー種よりも多くのフラノクマリン類含んでいます(記事をみる)。

この記事からは、降圧目的のCa拮抗薬としてマニジピンを使った必然性がわかりません。必然性がないのであれば、降圧目的のCa拮抗薬としては、CYP3A4阻害物質による影響が少ないアムロジピンを選んでおくのが無難だと思います。

薬物の効果を増強するためにグレープフルーツを摂るのは絶対に止めましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする