DHAなどのn-3(オメガ3)系脂肪酸サプリは、2型糖尿病患者の心血管イベントや死を防げない

n–3 Fatty Acids and Cardiovascular Outcomes in Patients with Dysglycemia

以下は、論文の要約の抜粋です。


背景:n-3系脂肪酸の摂取は、心筋梗塞や心疾患を経験した患者における心血管イベントを防ぐ可能性がある。2型糖尿病患者におけるこれらの効果は不明である。

方法:心血管リスクが高く空腹時血糖障害、耐糖能障害あるいは2型糖尿病の患者12,536例において、900mg/day以上のn-3脂肪酸投与とプラセボ投与効果を二重盲検試験で評価した。主要アウトカムは心血管疾患による死亡とした。

結果:6.2年のフォローアップ期間において、n-3脂肪酸群とプラセボ群の間に主要アウトカムの発生率に有意な違いは認められなかった。その他の血管イベント、全原因死亡、不整脈による死亡などの発生率にも有意差は認められなかった。

結論:心血管リスクが高い患者が毎日1gのn-3脂肪酸を摂取しても心血管イベントを減らさなかった。


n-3系脂肪酸はオメガ3系脂肪酸ともよばれ、不整脈、高トリグリセリド血症、動脈硬化性プラーク、血管内皮の機能低下、血小板凝集、炎症などにベネフィットをもたらす可能性があるといわれています。サバやクルミなどの食品に多く含まれており、魚を定期的に食べたりn-3系脂肪酸を含むサプリを摂る人は、心血管イベントが低下するという疫学的研究報告もあるそうです。

そのため、n-3系脂肪酸サプリの心血管イベントと死亡について、様々な臨床試験が行なわれてきました。以前のメタ解析では、心血管イベントに対する弱い抑制効果が示されていました。しかし、ランダム化二重盲検プラセボコントロール試験に限定した最近のメタ解析では効果がないという結果が出ていました。

本論文は、2型糖尿病患者、空腹時血糖障害、あるいは耐糖能障害の患者を対象としたn-3系脂肪酸の長期摂取の心血管死亡やイベントに対する効果を調べた最初の大型ランダム化二重盲検プラセボコントロール試験の報告だそうです。

上記のように、結果は完全にネガティブでした。唯一のポジティブ・データは、血中トリグリセリドはn-3脂肪酸で有意に低下したというデータでした。まったく効果がないわけではなさそうですが、わざわざサプリを飲む程ではなさそうです。

以下は、典型的なn-3系脂肪酸の宣伝です。「イヌイット」という言葉がsexyです。

「n-3系脂肪酸は多価不飽和脂肪酸の一種です。α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン(DPA)酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがあります。アザラシや魚などを常食しているイヌイットの人々に、脳血栓や心筋こうそくが少ないのはEPA、DHAのおかげであることが明らかとなりました。

n-3系脂肪酸の宣伝

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