オンコセラピー・サイエンスの新生血管阻害作用を期待したがんワクチン 有効性確認できず

がんワクチン有効性確認できず

以下は、記事の抜粋です。


患者の免疫を活発にしてがんを治療する「がんワクチン」の臨床試験で、各地のすい臓がんの患者に投与して延命効果があるかどうか効果を確かめたところ、有効性が確認できなかったことが分かりました。

東京大学医科学研究所の研究者らが設立したベンチャー企業、オンコセラピー・サイエンスは、2月28日夜、NHKの取材に、全国の25の医療機関で行ったすい臓がんに対するがんワクチンの臨床試験の結果を明らかにしました。

臨床試験が行われたのは、大学の研究成果をもとに開発したがんワクチンで、がん細胞の表面にあるペプチドを人工的に合成して患者に投与し、免疫の働きを活発にしてがんを治療するのがねらいです。進行したすい臓がん患者153人を、抗がん剤に加え、がんワクチンを投与したかどうかで2つのグループに分け、比較したところ、延命効果に統計上の差はなく、有効性は確認できなかったということです。

この結果を受けて、ベンチャー企業とともに臨床試験を行ってきた製薬会社では、がんワクチンの開発計画を見直すことにしています。


これに関連する以下のような記事があります。
オンコセラピーがストップ安、癌ワクチンの有効性確認できず
以下は、記事の抜粋です。


オンコセラピー・サイエンス <4564> が東証マザーズ市場でストップ安。同社の癌治療用ワクチンの臨床試験で有効性が確認できなかったと一部で伝えられ売り材料となった。「OTS102」の臨床試験で、膵臓癌患者に投与して延命効果があるかどうかを確かめたが、有効性が確認できなかったとしている。


オンコセラピー・サイエンスのホームページをみると、本年1月11日に上記「OTS102」臨床試験についてのお知らせがあります(お知らせをみる)。これによると、「OTS102」とは新生血管阻害作用を期待したがん治療用ワクチンOTS102((Elpamotide、エルパモチド) のようです。扶桑薬品および大塚製薬と提携して、世界初のがん治療用ペプチドワクチンの承認取得を狙って、膵臓がんに対する第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験と胆道がんを対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施しているとされています。

ただ、この「お知らせ」には、前日に治験実施計画書で定められた全ての患者さんに対する観察期間が終了したことだけが書かれており、結果はホームページのどこにも書かれていません。

しかし、上記ニュースの翌日、2月29日には「今後の開発方針についてのお知らせ」がアップされています(お知らせをみる)。以下にその抜粋を紹介します。


当社のがんペプチドワクチンの開発パイプラインは、提携先が開発を行うパイプラインを含めて、2ページ(下図)のとおりとなっております。これらには今回の OTS102 とは作用が異なる、ゲノム包括的解析などにより見出された、正常組織にはほとんど発現せず、がんに高頻度に高発現する腫瘍抗原を標的とする「オンコアンチゲン」由来のペプチドワクチンが多数含まれております。今後は「オンコアンチゲン」由来のペプチドワクチンの開発、および複数のペプチドをカクテルワクチンとして開発することを優先します。さらには提携先製薬会社とこれまで以上に緊密な関係を構築することにより、各開発パイプラインの進展ならびに拡充を目指してまいります。


2月6日には「がんペプチドカクテルワクチン療法剤 OCV-C01 第Ⅲ相臨床試験(治験)開始のお知らせ」が出たばかりです。これは「今後の開発方針」に沿ったものなのでしょう(お知らせをみる)。

UMIN-CTR上で公開されている臨床試験情報を検索しただけでも40件のがんワクチンの臨床試験が出てきます。今後の結果に期待したいと思います。

オンコセラピー・サイエンス社の開発パイプライン(同社ホームページより)

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