Xanax®(アルプラゾラム、コンスタン®)がホイットニー・ヒューストンの死因かもしれない

Xanax may be factor in Houston death

以下は、記事の抜粋です。


ホイットニー・ヒューストンの死因が解明されるにはまだ時間がかかりそうだが、精神科医はXanax®(アルプラゾラム、コンスタン®)が原因だろうと言っている。

彼女の死後1日後の2月12日に検死が行なわれた。Sarah Y. Vinson医師は、結論するにはより詳しいデータが必要とした上で、Xanax(一般名はアルプラゾラム)が彼女が死亡した部屋で発見され、さらに数名が彼女が事件の数日前に飲酒をしていたのを目撃したことから、Xanaxが死の原因かもしれないとしている。

Vinson氏によると、Xanaxは不安症に対して処方され、脳の「ブレーキ」であるGABA受容体に作用する。本薬物はベンゾジアゼピン系薬物に分類され、「鎮静薬」ともよばれる。多くの不安症の患者は、これらの薬物によってベネフィットを得るのだが、ベンゾジアゼピン系薬物には依存性があり乱用される可能性がある。

Vinson氏はさらに、「Xanaxのようなベンゾジアゼピン系薬は脳に対するブレーキが効きすぎることがある。特に呼吸器中枢を抑制すると危険だ。大量の薬物が服用された時、特に他の呼吸に影響するようなもの、例えばアルコールなどと同時に摂取された場合は、呼吸が遅く、浅くなり時には停止することがある。」という。


アルプラゾラムは米国で最も処方され、かつ最も乱用されているベンゾジアゼピン(BZ)だとされています。日本では、コンスタン®(武田)、ソラナックス®(ファイザー)という商品名で市販されています。BZ系薬物は、「マイナートランキライザー」ともよばれ、クロルプロマジンなどの「メジャートランキライザー」と比べて、作用も副作用も弱い安全な薬物と思われがちですが、依存を生じます。

薬物依存とは、「その薬物の使用をやめようとしても、容易にやめることができない状態」をいいます。依存は、精神依存と身体依存という2つのタイプに分類されます。
覚せい剤などの依存性薬物を摂取すると、腹側被蓋野にある中脳辺縁系報酬経路のドパミン神経系が活性化されることによって、強い陶酔感や多幸感を感じ、繰り返し摂取すると、シナプスの性質が変化し、精神依存状態が生じるとされています。BZもドパミン神経系の活性化によって依存を生じると考えられています。

精神依存状態では、その薬物から離脱するときも、手のふるえ等の身体症状は現れませんが、強烈な薬物摂取欲求(渇望)が生じます。このため、薬物の使用を容易にやめることができません。タバコが良い?例です。一方、モルヒネなどの身体依存性を有する薬物の場合は、離脱(退薬)時に渇望が生じるのと同時に、身体的な離脱(退薬、禁断)症状が発現します。

BZ系薬物は、精神依存と身体依存どちらも生じます。常用量依存で生じる離脱・退薬症状は、不安、焦燥感、気分の落ち込み、頭痛、発汗、手足のしびれ、振戦、知覚異常、痙攣発作、離人感、動悸、嘔吐、嘔気、下痢、便秘、腹痛などです。

BZは処方箋薬です。違法ドラッグではありません。ホイットニーが服用したXanaxはおそらく医師が処方したものです。「BZ系の抗不安薬の長期服用と、アルコールとの同時摂取による呼吸停止」という報道が事実だとすれば、医師の責任は重大です。安易にBZ系薬物を服用したり処方することのないように注意しましょう。抗不安作用が必要な場合は、依存性がないとされるSSRIも選択肢の一つです。

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コメント

  1. taniyan より:

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    tak先生
    今日は、何時もアップ楽しみにしています。
    さて、自分は長年の不眠症、ロヒプノール、ハルシオンを毎晩、中途覚醒で更にデパス服用も。
    止めれそうになく困ったもんです。
                   taniyan