転移性乳癌に対するペルツズマブ+トラスツズマブ+ ドセタキセル 「クレオパトラ」試験

Pertuzumab plus Trastuzumab plus Docetaxel for Metastatic Breast Cancer

以下は、論文要約の抜粋です。


背景:抗ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)ヒト化モノクローナル抗体のトラスツズマブは、HER2陽性転移性乳癌患者の転帰を改善する。しかし、進行乳癌のほとんどの症例は最終的に増悪をきたす。受容体の二量体化を阻害する抗HER2ヒト化モノクローナル抗体のペルツズマブ(pertuzumab)は、トラスツズマブと相補的な作用機序をもち、2つの抗体の併用療法は、HER2陽性乳癌患者を対象とした第2相試験で有望な活性を示し、安全性プロファイルにも問題はなかった。

方法:HER2陽性転移性乳癌患者808例に対して、第一選択治療としてプラセボ+トラスツズマブ+ドセタキセル(コントロール群)またはペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル(ペルツズマブ群)にランダムに割り付け、増悪するまで、またはコントロールできない毒性が発現するまで投与を続けた。主要エンドポイントは、独立に評価された無増悪生存とした。2次的エンドポイントは、全生存、研究者の評価による無増悪生存、客観的反応率、安全性とした。

結果:無増悪生存期間中央値は、コントロール群で12.4ヶ月であったのに対し、ペルツズマブ群では18.5ヶ月だった。全生存期間の中間解析により、ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセルの優位性が強く認められた。安全性プロファイルは2群で全般的に同様だった。グレード3以上の発熱性好中球減少症と下痢の発症率はペルツズマブ群のほうがコントロール群よりも高かった。

結論:ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセルの併用は、プラセボ+トラスツズマブ+ドセタキセルと比較すると、HER2陽性転移性乳癌に対する第一選択治療として用いた場合、心毒性作用の増加を伴わずに無増悪生存期間を有意に延長した。


関連記事で紹介した「クレオパトラ(CLinical Evaluation Of Pertuzumab And TRAstuzumab)」とよばれる臨床試験の結果がNEJMに掲載されました。ロシュは、欧米でHER2陽性転移性乳がんの適応症でペルツズマブを承認申請したそうです。日本でも中外製薬が承認申請をするのではないでしょうか。

受容体の二量体化を阻害するというモノクローナル抗体には、EGFRと反応するセツキシマブ(cetuximab、Erbitux®)などがあり、ゲフィチニブなどとの組み合わせがどうなるのか興味のあるところですが、問題は高額の医療費です。

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