「原発作業員が急性白血病で死亡」記事について

急性白血病で福島原発作業員死亡 東電「因果関係なし」

以下は、記事の抜粋です。


東京電力は8月30日、福島第一原子力発電所で復旧作業にあたっていた協力企業の40代男性が8月上旬に急性白血病で死亡したと発表した。東電は「男性の作業と白血病による死亡に因果関係はない」としている。

東電によると、男性は8月上旬に福島第一原発で7日間、休憩場を出入りする作業員の放射線の被曝管理をしていた。その後、体調の不良を訴え、数日後に死亡したという。

男性はほかの原発も含めて原発内の作業にあたった経験はなく、今回が初めてだったという。被曝線量は外部被曝が0.5 mSv、内部被曝はなかった。東電が、協力企業を通じて診断医師に確認したところ、「急性白血病は(臨床症状が出るまでの)潜伏期間が数年あり、死亡直前に短期間被曝して発症することはない」との説明を受けたという。


他の大新聞や共同通信、時事通信などもほぼ同じ論調で報道しています。「としている」とか「という」という文言が散りばめられたこのような記事を読めば、当該作業員は原発の復旧作業で大量の放射線を被ばくしたために白血病を発症したのでは?という疑いを抱く人が多いと思います。

しかし、ここに書かれていること(1.作業をしたのが今年の8月上旬、2.被曝量が0.5 mSv)が事実であれば、復旧作業での被曝が原因で急性白血病を発症したことは否定できます。

放射線影響研究所の原爆被爆者における白血病リスクをみると、「白血病は被爆後、早期に増加した」と書かれていますが、「早期」といっても、「過剰白血病は被爆後約2年で発生し始め、被爆後約6-8年の間にピークに達した」と書かれています。

放射線のヒットによって発がんを引きおこす突然変異がおこったとしても、細胞増殖の速度を考えればがんで死亡するまでの時間が短すぎます。疫学的に考えても細胞生物学的に考えても、被曝後1ヶ月で白血病で死亡することはありえません。

数年後には、原発復旧作業に従事した作業員にがんの発生が増える可能性はあると思います。センセーショナルに不安を煽るような今回の記事をみると、肝心な時にきっちり報道してくれるのか逆に不安になります。

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