インプラント手術で業務上過失致死容疑

歯科医を書類送検へ インプラント手術で業過致死容疑

以下は、記事の抜粋です。


東京都の歯科医院で2007年、インプラント手術を受けた患者がその後死亡した事故で、警視庁は8月1日にも、施術した60代の歯科医を業務上過失致死容疑で書類送検する。手術中に注意を怠って口内の動脈を傷つけ、死亡を招いたと判断した。

インプラント手術は、あごの骨にドリルで穴を開けて人工の歯根を埋め込み、人工の義歯を装着する。捜査関係者らによると、歯科医はこの手術の権威とされ、事故当時で約20年の経験があり、症例数は約3万本にのぼるという。

捜査関係者らによると、都内の女性(当時70)は07年5月22日、下あごの右奥歯の手術を受けている最中に具合が急変。近くの病院に運ばれたが翌23日に死亡した。捜査1課が調べたところ、右奥歯の人工歯根を埋め込むために開けた穴があごの骨を貫通して、その下の動脈が切れており、死因は出血などによる窒息と判明した。

この動脈の存在について、歯科医は事故当時の医学水準では一般的ではなかったとして事故は予見できなかったと主張。同課は複数の専門家から聴取するなどした結果、一般的に知られていることで、歯科医は危険性を認識できたと判断。それにもかかわらず注意が不十分で、動脈を損傷させたと結論づけた。


8月1日、外来でインプラント手術を受けたばかりの知人を囲んで、数人で話をしたところだったので、この記事が気になりました。他の記事によると、「医師は五本分の人工歯根を埋めるため、女性の下あごの五カ所をドリルで貫通させており、標準的な手術ではないと判断した。」とも書かれています。

その場にいた耳鼻科医の話だと、下あごで骨を貫通することは珍しいが、上あごは骨が薄いので珍しくないとのことでした。インターネットで調べたところ、以下のような記載がありました(サイトをみる)。


たとえば、上顎においては、上顎洞や鼻腔にインプラントを突き抜けてしまう、もしくは落としてしまうということも実際にあります。下顎であれば、下顎管の損傷による麻痺や出血、舌動脈の損傷による多量出血もあります。——また、動脈の損傷により多量の出血がおき、過去におけるインプラントの死亡は、舌動脈の損傷により口腔庭が持ち上がり、舌が気道を塞いでしまう窒息死があります。


上の記事の死因は、この窒息死のようです。知人のインプラント手術を話題にした時も動脈からの大量出血の可能性の話が出て、耳鼻科医は知人を脅していました。ところで、この事件が本当に業務上過失致死かどうかは別として、いくつか驚いたことがあります。

その1つは患者が高齢の女性であることです。この事件の患者は70歳の女性で、5本のインプラント手術を受けました。気になっていくつかの関連サイトを調べてみましたが、男性18、女性16歳以下は適応外とあるだけで、上の年齢制限はなさそうです。むしろ、多くの歯科サイトは高齢者をターゲットにしている感があります。

しかし、骨粗鬆症治療薬ビスホスホネート(BP)の副作用として、顎骨壊死がおこることはよく知られています。高齢女性の場合、骨粗鬆症のためにあごの骨が脆い可能性もBP治療中の可能性も高いので、インプラント手術を受けるのは慎重にすべきだと思います。少なくともBP治療中の場合は避けた方が良いでしょう。

もう1つ驚いたのは、その費用です。私の知人は神戸大学病院でインプラント手術を受け、1本20数万円もかかったとボヤいていたのですが、耳鼻科医からそれは格安で、普通は40万円以上だと言われていました(説明をみる)。40万x3万=120億!

記事のように、インプラントや美容外科手術は予期せぬ出来事もあり得るので、比較的安全で料金も良心的な大学病院で受けられるのが良いと思います。(^^;)ゞ

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