ウイルス:慢性疲労症候群の論文に誤り

ウイルス:慢性疲労症候群の論文に誤り

以下は、記事の抜粋です。


前立腺がんや慢性疲労症候群の患者からウイルス「XMRV」が高率で検出されたとの成果は誤りの可能性が高いとする解析を、米国立がん研究所などがまとめ、5月31日付の米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。研究室で患者の試料に混入したのが原因とみている。06年に前立腺がん患者から検出されたとの論文が発表された。09年には、米国立がん研究所の別のチームが同誌に、米国の慢性疲労症候群の患者の67%が感染しているなどとする論文を発表した。


私は、2009年の記事で慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome、CFS)の論文を紹介しました(記事をみる)。しかし、その後BMJJ. Virol.など、CFSとXNRVウイルスとの関係を否定する10以上の研究が報告されました。

今回Scienceは、2009年の論文で示されたXMRVとCFSの関連が試薬にウイルスがコンタミしていたことによる誤りだったことを認めました。以下はその3つの記事です。

Editorial Expression of Concern

Recombinant Origin of the Retrovirus XMRV

No Evidence of Murine-Like Gammaretroviruses in CFS Patients Previously Identified as XMRV-Infected

1つ目の記事が他の2つの論文の解説です。その解説によると、1つの論文が培養細胞からヒトのサンプルにウイルスがコンタミしたと認められる証拠を示し、もう1つの論文が2009年に対象となったCFS患者61名を再検査した結果、XMRV感染をすべての症例で否定しました。

Scienceという有名ジャーナルに掲載されたことで、CFSがXMRV感染だというニュースは、強いインパクトを学会や社会に与えましたが、今回の記事によりCFSの原因はまたまた「不明」に戻ってしまいました。日本にも疲労関連の学会や研究班はあるようですが、ドリンク剤を越えるようなアウトプットはまだ出ていないそうです。

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