カルシウムを多く摂取しても骨折リスクは減らない

Calcium won’t slow bone loss
以下は、記事の抜粋です。


カルシウムは骨の健康に重要であり、専門家たちは骨粗鬆症リスクを減らすために、どの程度のカルシウムを摂取すべきかについて、長い間議論してきた。

新しい研究によると、アメリカの成人女性に勧められている摂取量は不必要に高すぎることが示唆された。アメリカでは、51歳以上の女性は1日1,200mg以上のカルシウムを摂ることが勧められている、一方、イギリスでは700mg以上ということだ。

新しい研究成果は、British Medical Journalに掲載され、700mg以上摂るのは意味が無いと結論している。研究者らは、スウェーデンにおけるマンモグラフィー研究の一部に参加した61,433名の女性のデータを調べた。これらの女性は食事やカルシウム摂取についての質問にも回答した。

研究者らは、その後19年間にわたり、彼女らが骨折あるいは骨粗鬆症になるかどうかをフォローした。その結果、一番骨折リスクが低かったのは一日に約750mg摂取するグループだった。また、歳をとるとともに多くのカルシウムを摂取し始めた場合も骨折リスクは減少しなかった。


元論文のタイトルは、”Dietary calcium intake and risk of fracture and osteoporosis: prospective longitudinal cohort study”です(論文をみる)。

今更ながら、対象とした症例の24%が骨折したということに骨粗鬆症の怖さを実感します。論文によると、カルシウムを摂りすぎると効果が無いばかりか、大腿骨頭骨折が約2割増えるそうです。

また、関連記事や同じ雑誌に最近掲載された論文、”Calcium supplements with or without vitamin D and risk of cardiovascular events: reanalysis of the Women’s Health Initiative limited access dataset and meta-analysis”では、閉経女性へのカルシウムサプリメントが心筋梗塞などの心血管イベントリスクを上昇させると報告されています(論文をみる)。

骨粗鬆症の予防・治療の目的でカルシウム・サプリメントを摂取している女性は非常に多いと思われます。

しかし、これらの論文の結果をみると、カルシウム・サプリメントの骨密度や骨折予防における効果は小さいので、骨粗鬆症や骨折の予防・治療の目的でカルシウム・サプリメントを摂取することは再考されるべきであると思われます。

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